実際、糖質制限を実践する常連客達は上得意だ。「いきなり!ステーキ」にはこれまでに食べたステーキの重量に応じてランク別に特典が得られる「肉マイレージカード」という仕組みがある。その最上位層の30数人は同カードの最高ランク「ダイヤモンドカード」の持ち主。トータルで100キロ以上の牛肉を同店で食べたことになり、月間で数万円以上を「いきなり!ステーキ」で使っている計算になる。「肉マイレージカード」の最上位層30数人の大半が糖質制限などダイエット目的で店を利用しているそうだ。

100キロ以上の肉を食べたお客のみに与えられる「肉マイレージカード」の最高ランク「ダイヤモンドカード」の所有者たちとペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長(最前列右側)

「糖質」は心に刺さるキーワード

 すかいらーくが展開するファミリーレストラン「ガスト」では今年の6月半ばに「1日分の野菜のベジ塩タンメン」などコンニャクを主成分とし、小麦粉を使わない糖質ゼロの麺が選べるメニュー2品を投入。「予想の3倍の注文が入った」(すかいらーく)ことから、9月末からの秋・冬メニューへの改訂では糖質ゼロの麺を使ったメニューを3品に増やした。

 一般的に新メニューは注文数を徐々に減らしていくものだが、「糖質制限への関心は一過性のものでなはく、注文数が落ちない」(すかいらーく)。使っている糖質ゼロの麺は製造が追いつかないほど好評だ。

 すかいらーくが「ガスト」業態で「糖質」に配慮したメニューに力を入れる背景には、1993年に展開を始めた頃はメーンの客増は10代、20代の若者だったが今は幅広い年齢層の女性客が多く、シニア客も増えているためだ。健康志向の商品開発は必然だが、同社の分析では「『カロリー』より『糖質』の方がお客様の心に刺さる言葉になっている」(すかいらーく)という。そのためメニューブックの中でも「糖質が気になる方へ オススメ!」というアイコンを付けたお薦めメニューはあるが、カロリーオフを強調するアイコンは見当たらない。

ガストのメニュー表。「糖質が気になる方へ オススメ!」というアイコンで健康志向をPRしている。

ラーメンにまで広がる糖質制限

 糖質制限への対応はラーメン店にまで及んでいる。ラーメン店「一風堂」を展開する力の源ホールディングス(福岡市、清宮俊之社長)では、糖質を既存の麺の半分に抑えた「糖質ニブンノイチ麺」を開発。大麦やらい麦など11種類の穀物をブレンドすることで、麺に使われる小麦粉の量を半分に抑えた。「糖質ニブンノイチ麺」は今年4月にオープンした新宿駅直結の駅ビル内にある店舗「一風堂 ルミネエスト新宿店」ともう1店舗で提供している。