脚のむくみを速攻で解消するマッサージ

 水分過多になると、筋肉や皮膚はパンパンに硬くなることが多い。それをほぐすことで血流を高めることも、むくみを取るために必要なのだ。足裏をマッサージする時は、拇指球と小指球、そしてかかとの部分を結んだ広い面を満遍なく、ひじで削るように動かすといいのだという。

 そして、くるぶしからアキレス腱、ふくらはぎの順で、足から心臓に向けて揉みほぐしていくと、むくみが解消しやすい。

脚のむくみを解消するマッサージ法
太い親指は、手全体で包むようにして押してほぐす。
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他の細い指は、親指と人差し指ではさむようにして、指先から足に向けてマッサージする。
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足の裏には曲げたひじを押し当て、足底筋(土踏まず)を中心とした広い部位を削るように動かし、水分を押し流す。
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親指を使って、くるぶしからアキレス腱のわきを上に向けて押していく。
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両手の親指を下腿三頭筋(ふくらはぎ)に当て、膝に向けて押し上げてマッサージしていく。
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両手ではさむようにして、ふくらはぎを揉みあげていく。
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 「こうしたマッサージをすることで、脚の組織に入り込んでいる水分が抜けていきます。脚の水分が多過ぎるということは、言わば、ゴム風船の中に水がパンパンに入っている状態。それだと脚の自然な動きが出ないんです。水が抜けてくると動き出しますから、そこでようやくストレッチに入ります」(岡田准教授)

 脚のむくみが抜けないままストレッチを行なっても効果が薄い。水分を抜いてから実施するのが、ベストな状態を作り出すポイントになる。選手たちの中には、このマッサージを機内で行なう人もいるという。

 むくんだ下半身に流れ込んだ血液やリンパ液は、ふくらはぎを動かすことによって心臓に押し戻される。つまり、つま先の上下運動や歩行によって戻されるのだが、マッサージで組織内の水分を押し出してからでないと、十分にむくみを取ることができないのだ。

 「マッサージはトランジットの合間や、ホテルに着いてすぐに行なってもいいでしょう。ストレッチは、ふくらはぎの筋肉を伸ばすものと、すねにある前脛骨筋を伸ばす一般的なもので十分です。それから、脚にたまった水分は最終的には太ももや股関節を通って戻っていきますから、その部位のストレッチも行なったほうが、むくみ解消の効果が高いですね」(岡田准教授)

 具体的には、アキレス腱を伸ばすように動かすふくらはぎのストレッチに、後ろに反らせた足のつま先を持って、太もも前面やすねの前にある前脛骨筋を伸ばすといった、一般的なストレッチをやればいい。加えて、立ったまま上半身を前屈させて、脚部全体を伸ばすストレッチもお勧めだ。時間の余裕があれば、股関節を左右に開いたり回したりする動作を加えると、さらに血流が良くなって、むくみの解消が早くなる。

 男子柔道の日本代表選手たちは、このような細かいケアを実施することで、長距離移動の影響を解消して鋭敏な感覚を取り戻し、俊敏な動きでもって練習と試合に臨んだのである。これはビジネスパーソンとて同じこと。仮に海外出張で長時間のフライトを強いられ、到着後にすぐに仕事という時には、このマッサージとストレッチを実施して、ベストコンディションを保とうではないか。

岡田隆(おかだ たかし)さん
日本体育大学 准教授
岡田隆(おかだ たかし)さん 1980年生まれ。日本体育大学卒業。日本体育大学大学院体育科学研究科修了。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。理学療法士、日本体育協会公認アスレティックトレーナー、NSCA、CSCS、JATI-ATI。JOC強化スタッフ、柔道男子ナショナルチーム総務コーチ(フィジカル強化担当)、日本ボディビル・フィットネス連盟選手強化委員。2016年、日本社会人ボディビル選手権大会優勝。肉体改造に関するトレーニング方法や食事法の情報を世界中から収集し、自らの体で試し、検証して有効なものをトップアスリートへ伝授している。著書に『HIIT体脂肪が落ちる最強トレーニング』(サンマーク出版)など。