リオ五輪では全7階級でメダルを獲得し、復活と躍進を遂げた柔道男子日本代表。これには科学的なトレーニングに加え、体づくりに直結する栄養補給、つまり食事に関する改善や改革も大きく関わっている。そこで井上康生監督の下で食事指導に当たった管理栄養士の上村香久子(うえむら・かくこ)氏に、ニッポン柔道の復活を支えた最新の栄養学に基づく選手たちの食事法と、ビジネスパーソンにも役立つ食べ方を聞いた。

 井上康生監督のもと、選手たちは日本柔道が世界で勝つための科学に裏付けされたトレーニングや練習に励んだ。同時に、彼らには出場する階級ごとに、厳しい体重制限も課せられる。力や俊敏性を高めるために筋肉をつけて体を大きくすれば、当然体重は増える。その分は体脂肪のカットによって減らさなければいけない。もっとも体脂肪になりやすい栄養が糖質(炭水化物)だということは、ほとんどの人が知っているだろう。糖質は体を動かすエネルギーになる、大事な栄養素だ。しかし、その取り方を間違えると体脂肪を増やす原因になるのだ。

最近は女性だけでなく男性も好きな人が多いスイーツだが、もっとも体脂肪になりやすい糖質を含むので、食べるタイミングに要注意だ。(©Volodymyr Melnyk-123RF)
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 「一般の方々にも多いと思いますが、選手の中にも甘いものが大好きでやめられないという人はいます」と言うのは、日本スポーツ振興センター(JSC)ハイパフォーマンスサポート事業柔道専任管理栄養士の上村香久子氏。しかし、スイーツの太りにくい食べ方もあるという。上村氏が選手たちに指導した方法から学んでいこう。

 「選手たちは食事での栄養素はしっかり取っていますが、間食が減量の妨げになっているケースが多いんです。ですから、食べてもいいけど、買う前に成分表示を見て、エネルギーはお菓子とジュースを合わせて1日200kcalまでにしてねと、かなり言って聞かせました。食べるタイミングについては、午前の練習で体を激しく動かすので、その前の朝にケーキを食べると脂肪が溜まりにくい、と伝えましたね(笑)」(上村さん)