筋肉をつけるだけでは体重制限をクリアできない

 リオ五輪に向けて、井上監督は選手たちの筋肉量を増やし、フィジカル面を強化する方針を前面に打ち出した。その任を担ったのが日体大准教授の岡田総務コーチ。しかし、筋肉の比重は脂肪の約1.3倍ある。つまり、筋肉をつければつけた分だけ、体重は増える。そこで食事面で体重を増やさないような食べ方のアドバイスを行う役割を担ったのが、管理栄養士の上村さんだった。

 「筋肉は増やしてもらいたいのですが、体重制限があるから何かを減らさないといけません。それが体脂肪です。ただ、単純に少なくすればいいのではなく、選手の階級や柔道のスタイル、体の代謝によっても変わってきます。選手の体を見ながら、体脂肪を減らしたほうが良さそうな人には、食事での脂肪の摂取も抑えるようにアドバイスをしました」(上村さん)

 自分では食事をそれほど取っていないし、トレーニングもしているのに体重が減らない。あるいは増えるという人は、もう一度、間食や脂質の取り方を見直してみてはどうだろうか。意外と、そのあたりに落とし穴が隠れているかもしれない。

上村香久子(うえむら かくこ)さん
管理栄養士、調理師
上村香久子(うえむら かくこ)さん 独立行政法人日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンス事業スタッフ。産業給食会社、病院、スポーツ選手サポート関連会社を経て、現在に至る。リオデジャネイロ五輪では柔道男女日本代表選手の栄養サポートを行った。