食事はバッチリ、でも間食が減量の妨げに

 「減量しないといけないのに、体重が減らないんです」。ある日、上村さんは一人の選手からそんな相談を受けたという。「合宿時の食事を見ていても、そんなにおかしな食べ方はしていませんでした。練習量も多いのになぜだろう」。上村さんはそんな疑問を持った。そこで、合宿を離れている間に食べた物の記録を詳細につけて送ってもらうことにした。

 「そうしたら、おやつのエネルギーだけで1日1000kcalを超えていたんですよ。1回に食べる分量は少ないのですが、回数が重なってこの数字です」(上村さん)

 そのうえ、食事もしっかり食べている。体重が減らないのは当然だ。これも一般の人が普段の生活の中でやってしまいがちな食習慣。特に「私、そんなに食べていないのにやせないんです…」という女性の多くは、間食が多いことが知られている。

 「その選手は菓子パンも食べていました。本人の言い分としては『パンだから、おやつじゃないでしょ』ということですが、それを1個食べると500kcalにもなります。加えて、カロリーオフと言いながら清涼飲料水を1Lくらい飲めば、また摂取カロリーが200kcal程度上乗せされてしまいます。いくらハードな練習やトレーニングをしても、消耗した分と同等のエネルギーを摂取していたから、減量がうまくできなかったのです」(上村さん)

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 しかも、そのほとんどが糖質。選手にとって、すぐにエネルギーになる糖質は必要だ。しかし過剰になれば、体脂肪を減らすことはできない。男子代表選手たちの食事のカロリー摂取量は、平均すると軽量級で2500~3000kcal、中量級だと3000~4000kcal、重量級になると4000~6000kcalだという。一般的なビジネスパーソンは、2500~2800kcalの摂取で足りるのだから、いかに選手たちは激しい練習をしているかが分かる。それでも、間食でカロリーを取り過ぎると減量が難しくなる。

 食事でのカロリー摂取に気をつけて、さらにトレーニングを積んでいるのに体重が減らない、あるいは体が引き締まらない…。そんな状態に陥っているビジネスパーソンや女性は、間食の記録をつけてみるといいだろう。すると、甘いものやカロリーが高い菓子類を食べ過ぎていることに気がつくかもしれない。

 「選手たちは、各階級のリミットに合わせて体重を調整します。普段はあまり気にしていないのですが、試合が近づいてくると始めるんです。でも、体重の振れ幅があまりに大き過ぎるとコンディションを崩しやすくなります。ですから、普段から食事をコントロールして、ある程度の体重で抑えないといけないのですが、その選手は練習やトレーニングで消費すると思って安心していたので、つい間食が増えて減量できなかったのです」(上村さん)