「たんぱく質=肉」で脂肪過多に…

 食事も体づくりのための立派なトレーニングなのだ。その点に関しては、一般人も同じだろう。

 合宿時の食事はバイキング形式。上村さんは食事場所を見渡せる場所に立って、選手たちが取るメニューを細かく観察していた。頭の中には、個々の選手の体重や体脂肪率、直前での試合の成績などが入っている。そして選手が気になる食事の取り方をすると、食後に声をかける。

 「選手たちは筋肉をつけたい人ばかりです。ですから、たんぱく質をしっかり取りたいという気持ちが働きます。すると、どうしてもトレイの上に肉主体の料理を乗せてしまうんです。ある選手の例だと、メインの肉料理が2品あって、そこに野菜の小鉢を取ってはいるんですが、中にやっぱり肉団子が入っている(笑)。魚を感じさせない組み合わせになっていました。気持ちは理解できるんですが、普段の食事も写真に撮って送ってもらうと、そこでも肉ばかり。たんぱく質はいいのですが、同時に脂質を取り過ぎている傾向が見えた人もいました」(上村さん)。

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 その選手は、たんぱく質を求めるあまり、脂肪過多の食事になっていたという。我々も普段の食事で陥ってしまいがちな現象だ。「まだ、魚の取り過ぎという選手は見たことがありません、みなさん肉食系です」と上村さんは笑う。

 ビジネスパーソンもトレーニングと食事で健康な体づくりをしようとするならば、たんぱく質=肉という考え方を少し改めたほうがいい。「肉+魚をメイン2品のおかずにすれば、脂質の取り過ぎを防ぎながら、たんぱく質を補給できます」と上村さん。

 加えて、大豆そのものや大豆食品、乳製品を組み合わせると、動物性、植物性両方のたんぱく質をバランス良く取れる。同じ量のたんぱく質を摂取するにしても、「揚げ物+脂身のある肉料理」といった、多くの油を使う調理法と脂身の多い部位の重なりは避けたほうがいい。選手たちにも同じ指導をしたという。

 さらに言えば、同じ肉類を摂取するにしても、鶏の唐揚げやトンカツなどを食べると、当然ながら揚げ油の影響でやはり脂質の取り過ぎになってしまう。このあたりも気をつけたいところだ。肉類であれば赤身を、できれば、蒸したり、ゆでたり、網の上で焼くなど、脂肪分を落とす調理法で食べるようにしたい