上渚滑店は黒字経営なのでしょうか。

丸谷:ちゃんと黒字ですよ。開業当初から黒字でした。いまも当初目標を少し上回っているくらいです。

 上渚滑以外にも過疎地で営業する店はあります。セコマが出店時に重視するのはサステナブル(持続可能)かどうかという観点です。

 サステナブルかどうかを分けるのは、初期投資して作った設備をしっかり償却でき、しかるべきタイミングで再投資ができるかどうかです。セイコーマートが今後例えば30年にわたって営業して店がぼろぼろになったときに、もう償却は終わっていて、再び店舗を新しくできるのか。そんな観点から開店可否を決めています。

8月1日、紋別市に開業したセイコーマート上渚滑店。

ただ、それでは本部があまりに儲かりません。非上場会社であるとはいえ、セコマも慈善事業を営んでいるわけではないですよね。

丸谷:だからこそ小売業という「川下」だけを手がけるのではなく、「川上」にあたる製造から、「川中」にあたる物流にまで自社で参入を進めてきたのです。掲げているのは「総合流通企画会社への転身」です。

 製造については、既に道内に10社を超える製造関連会社を抱えており、弁当や総菜、乳製品などをグループ内企業で生産しています。配送についても、自社でトラック277台を保有していて、1日の配送距離は7万キロメートルに達します。

 店舗で利益が生まれなくても、他の部門でカバーできるんです。総合的に、企業として収益を生み出す力があるのです。単店で利益を出さないといけないフランチャイズ方式の加盟店経営では、こうはいきません。

ウエルシアに自社商品を供給

単なる小売業からの脱却、ということですね。

丸谷:製造した商品は外部への販売も進めています。ワインや弁当、アイスクリームなどがそうですね。(ドラッグストア大手の)ウエルシアホールディングスさんの店頭には既に並んでいますよ。

 ただの製造業ではなくて「小売業をベースにした製造業」であることが役に立っています。いきなりゼロから商品を売り込むのではなく「北海道では既に1000店で取り扱い実績のある商品です」と売り込めば、先方も安心して導入してもらえます。外販実績は2016年に100億円にのぼっています。

「北海道」というブランドを持っているセコマだからできること、と言えそうです。大手にはなかなか真似できません。

丸谷:そうですね。幸運ではありましたが、これを使わない手はないですよ。海外への輸出も進めていきたいです。