チェーン本部は「社会インフラ」を自任していますよね。

竹増:それも24時間営業を続けたい理由の一つです。16年春の熊本地震の際にも、ローソンは営業をやめなかったことで住民の皆さんの支持を得ました。物流網がやられて棚はすっからかんでしたが、それでもローソンの青いサインポールを目指してクルマがやってきて、駐車場で一夜を明かしていたそうです。

社会インフラだからこそ、人手不足や競争の激化で加盟店が疲弊していたり、オーナーの成り手も見つけにくかったりという現実は看過できないのでは。

竹増:オーナーの成り手という意味では、やはりローソンはマネジメントオーナー(MO)さんがいるのが強みですよ。MOさんって、たとえば10店舗経営していれば年商15億円ですから、地域のなかでは中堅企業の社長さんです。社会的な地位もあって、経済的にもしっかりした基盤を持っていますから。

 こういう存在を増やしていかないと辛いですよね。いままでのように脱サラしたオーナーさんが、1店舗を経営して頑張っていきましょうという状態では辛い。昔は良かったですよ。ここまで密集して店が出ていませんから。けれどこれだけ競争が激しいなかでは、1店舗しか経営していないと、外部環境が変わったときにすぐ経営が揺らぐんですよね。

 競合チェーンが横に出店すると、すぐに売り上げが落ちて、じゃあオーナーとしての生活はどうするんだと。一方で多店舗経営によって経営基盤が安定して、本部と一緒に闘えるようになれば長期戦に持ち込める。長期戦に持ち込めれば、勝てるんですよ。MOのような新しいコンビニオーナー像を作り上げていけば、まだまだ店舗網は広げられるのではないでしょうか。

日販はまだまだ伸ばせる

ローソンは引き続き積極出店を続ける考えです。中期経営計画では2021年度までに店舗網を現在より4000超多い1万8000店にするとしています。同じ中計では「日販向上」と「規模拡大」を成長に必要な両輪として掲げていますが、規模が大きくなれば日販(店舗あたりの1日の平均売上高)は伸び悩むのでは。

竹増:我々の業態が生まれた当初から、コンビニは「緊急需要」を取り込んできました。醤油が切れていた、トイレットペーパーがなかった……というときに、真夜中でも買える利便性を提供してきた。その後おにぎりで朝ごはん需要を取り込み、続いて(弁当などで)昼ごはん需要を取り込んできました。

 ただ夕方以降については、これまでお客様はスーパーに足を運んでいた。ただ、これからは女性の社会進出がさらに進んで、家事にかける時間が少なくなってくる。すると夕方から夜間もますますコンビニが必要とされるようになります。「忙しいときは夕食もローソンでいいじゃないか」。そんな需要を取り込めれば、日販もまだ上げられます。

(撮影:陶山勉)

とはいっても、夕方から夜間にかけての商品強化でせっかく日販が上がっても、近くに新規出店が続いたらまたやり直しです。

竹増:いえ、まだまだ成長できます。女性だけじゃないですよね。シニア向けマーケットも大きくなっています。単に大きくなるだけじゃなくて、単身家族も増えている。クルマの免許も返上しなければならない中で、近くのローソンで毎日の買い物をしていただければ、需要はまだまだ伸びるはずです。店舗を増やしても、まだまだ日販には向上の余地があるんです。