24時間営業についての考え方は。

沢田:ケース・バイ・ケースじゃないですか。

どういう意味ですか。

沢田:必要ないところはやめる。必要あるところはやる。

これまで24時間営業は契約の一部であって、どんな立地であっても、原則として加盟店には選択肢がありませんでした。

沢田:ですから、いま直営店を中心にいろいろと研究を始めたところです。米国なら「Amazon Go」がある。中国でも無人コンビニが登場していますよね。無人でもいろんなデータがとれるので意外と万引きが少ないとか、興味深い結果が出ていますよね。ものすごい時代ですよ。

 僕は、いろいろな技術を駆使すれば深夜帯は無人にできる気がしています。例えば午前0時には無人コンビニに変身し、6時には再び店員が出勤してくるとか。いろいろな試験を進めています。24時間は続けますよ。続けるんだけれども、そこに店員がいるか、いないかは別。そういう議論です。

実は先日、記者も24時間営業を実験的にやめた店を見学してきました。全国で何店舗くらいで実験しているのでしょうか。

沢田:まずは数店舗です。

実験的に24時間営業を取りやめた店舗。1時になるとロールカーテンが降ろされた。(撮影:菅野勝男)

24時間営業の見直しを始めると、加盟店オーナーが雪崩を打って「うちもやめたい」と言い始めるのでは。

沢田:まあ、そんなことよりも、まず僕ら(チェーン本部)が根拠を持って議論できるかどうかが大事なのではないですか。24時間営業をやめたら売り上げが本当に下がるのか、あるいはどれだけ人件費が削減できるのか。

 やめたらやめたで、早朝のオペレーションの立ち上がりが大変とか、いろいろなことが起こるんじゃないですか。だからまず加盟店にご迷惑をかけない形で、我々が我々のできる範囲で試行錯誤したいと考えています。

24時間営業見直しの一番のリスクは。

沢田:やっぱり売り上げ・利益が確保できるかですよね。売り上げ・利益が上がった上でコストを下げられたら「◎」。これがベストです。次が売り上げ・利益はイコールだけどコストは下がる……「○」ですね。売り上げ・利益が下がったけれどコストも下がったのでボトムラインは一緒……なら、これは「△」です。

 いろいろ結果は出て来ると思いますよ。最悪の場合は全部「×」かもしれない。当然「◎」を目指したいけれど。

失敗したら僕のせい

よくコンビニチェーン本部は品出しや店内の清掃などの深夜作業ができなくなることを、24時間営業の理由にあげています。

沢田:それは本当みんな言いますよね。「うるせえ!」と叫んでやりたい。それを持ち出したら何もできなくなりますよ。

深夜に店を閉めても、それらの作業はできるはず……ということですか。

沢田:それは分からないです。できないかもしれない。それはやっぱり検証する。とにかく「できない」という前提に立つことはしない。できないと言ったらそこで思考停止。それは許されない。

 社長みたいな立場の人間が「これはこうだ」と断言したり「これはできない」と決めつけたりすると、社員は全員、そこで思考停止ですよ。それはあり得ない。だからトライだけはしてみようと。失敗したら僕のせいにすればいい。

ケース・バイ・ケースということは、何か基準を作るのですか。

沢田:その基準をつくるための実験でもありますよね。来店客数なのか、売り上げなのか。とにかく研究です。研究しない会社は終わると思うんです。何かルールを決めてしまって、それだけに従うような会社は。ものすごく変化する時代だし、テクノロジーもどんどん進歩する。決めつけはなにより怖い。