「会社では法人営業を担当しているのですが、このご時世、営業先に食い込むのは難しい」。男性は語る。「コンビニバイトなら、営業されている感覚を与えることなく、顧客になってくれるかもしれない人との接点をつくることができる」

 たとえば「店員」の立場では雇用主である加盟店オーナーも、「営業マン」としての立場からは顧客になりうる1人の事業主だ。男性はファイナンシャルプランナー(FP)の資格も持っており、一緒にコンビニ店員として働く主婦から「うちの家計簿を見てくれませんか」と頼まれることもあるという。

 「あえて自分から営業トークを始めることはありません。ただ、コンビニ店員として相手の懐に入り込めば信頼してもらえる。するとそのうち『そういえばFPでいらっしゃるんでしたよね』と声がかかる。飛び込みのセールスよりよっぽど効率良く、顧客獲得のきっかけをつかめる」と男性。おてつだいネットワークスには外回り中にアクセスし、翌日出向く営業先の近くで夕方から働ける店を探す。

店舗の増加で、働き手も奪い合いに

 日経ビジネス10月30日号の「揺らぐ成功モデル」で紹介した20代女性も、芸能関係の仕事に就きたいと考え、自分のスケジュールを見極めながら柔軟な働き方に魅力を感じてコンビニの単発バイトを繰り返していた。

単発バイトで生活費を稼いでいる27歳女性。働き方の柔軟性は魅力的だが、店舗からみれば人手不足が極まったことの象徴でもある(9月下旬、東京都内)

 日本フランチャイズチェーン協会によると、国内のコンビニ店舗数は2016年度に5万7818店と、過去20年で2倍近くまで増えている。チェーン本部が大量出店を進めてきたからだ。だが、人口がほぼ横ばいの状態で店舗だけが増えればどうなるか。コンビニバイトを担ってきた国内の15〜24歳人口は1996年に1店舗あたり574人いたが、2016年には同211人まで減っている。来店客だけでなく、働き手についても店舗間での奪い合いが激しくなっている。

 柔軟な働き方の実現を手助けする「おてつだいネットワークス」のような新サービスは、現代の働き手にとってはありがたい存在だ。だが、コンビニ店舗が同サービスに頼らざるを得なくなっている現実は、業界の苦境の現れでもあるといえるだろう。