イメージと違い「めっちゃ大手」

山野さん自身の、リクルートでの経歴について教えていただけますか。

山野:僕が入社したのは07年ですが、結局リクルートには3年間在籍しました。もともと大学時代からサブカルチャーやファッションをテーマにしたフリーペーパーを作る事業を手がけていて、広告ビジネスには関わっていたんです。そこで、自分で事業をやり続けるか、就職するかで悩んでいた時に、リクルートのことが耳に入ってきました。

 将来的に自分でビジネスをどのようにやっていくかを見定める上で、「石の上にも三年」ではないですが、まずは3年間リクルートで学んでみようと。高校や大学の先輩でリクルートに就職していた人もいましたし、起業家といえばリクルートというイメージが強かったことも入社した理由ですね。

実際に入社して見て、良かったこと、悪かったことというのはありましたか。

山野:期間は3年ですし、当時は末端の営業構成員でしたが、学びはたくさんありましたよ。ただ、入社前のイメージと違った点でいうと、「めっちゃ大手やん」とは思いましたね。僕はそれまでに自分で事業をやっていたから、フリーペーパーの制作工程のすべてに関わって、自分で意思決定していました。リクルートは当然大きな組織ですから、ものすごくルール化されて、ルーティンの業務を担う。ギャップが大きかったのは確かです。

 あとは、入社前に聞いていたのは「お前は何がしたいんだ?」という言葉に象徴される、社員の介在価値が非常に強い会社であるということ。それが合言葉だという話は頻繁に聞いていたのですが……

入社してみるとそうでもなかった?

山野:僕に関してはですが、それを聞くことは正直あまりなかったですね(笑)。もちろん、それは僕が入社したばかりの末端構成員だったからということもあるでしょう。僕はHR(人事)系の部門で「リクナビNEXT」の営業を担当していましたが、すでに確立したプロダクトの中で、ルールに沿って目標達成に向けて徹底的にやるということが求められていましたから。

 そうした立場では、創意工夫や介在価値ということについて、自分自身が深く考えさせられる機会は、やはりない。ただ、それはビジネスの規模や影響力が大きくなれば必然でしょうし、そういうものだとも捉えています。

学んだ部分についてはどうでしょうか。

山野:業務が最適化されていて、オペレーションが可視化されている。PDCA(計画・実行・評価・改善)を徹底的に回して、効率的に事業を育てていく。これは、ビジネスを大きくする上では間違いなく役立つことですし、それを間近に見ることができたのはとても良かったと思います。

 また、モチベーション管理についても学びになりましたね。例えば、表彰制度を一つとってみても、ものすごい労力をかけていますし、人の心に火をつけるというか、その仕組みや解を見ることができたのも大きかったですね。

 ビジネスの面でも、HRの営業はそれこそ1人で100社くらいの企業を担当しますが、色々な業種や業態のビジネスモデルを考察し、財務諸表も読み込んで理解を深めていくわけです。飛び込み営業も山ほど経験します。そうした経験は、今の自分にとっても、すごく役に立っています。