マルチタスクもスタート

 「街中見つけ旅」を実戦するため、まず近くの大学のゼミの協力でホテルの周辺にある店を調査してもらうことから始めた。その結果をベースに、今度は15人ほどのホテルのスタッフがそれぞれの知識も持ち寄り、宿泊客が街歩きの際に立ち寄る候補先を決め、協力してくれるところを一店ずつ足で開拓した。

 小野寺もその一員になった。インバウンド対応に限界があることなどを理由に断られることもあったが、前経営時代から地域に根を張ってきた分、話はスムーズだった。

改装した1階のカフェ&バル(写真:船戸俊一)

 1階のレストランは新しい役割に合わせて改装。こうして生まれた「カフェ&バル」に小野寺は勤務することになった。さまざまな業務を兼務する星野流の働き方である「マルチタスク」もスタート。小野寺はこれまでレストラン内のサービスだけにかかわっていたが、調理の一部を担当するようになった。「いっしょに仕事をする感覚が生まれ、調理とサービスの協力体制が組みやすくなった」という小野寺は、ソムリエとしての知識を生かして北海道のワインを取り入れるなど、自分の意見もどんどん出すようになった。スタッフのなかには「これはできない」とやめる人もいたが、多くのスタッフがそのまま残った。

 やがて、都市での観光を楽しんでもらうOMOのコンセプトに合わせ、街の案内役として5色のユニフォームを着た「OMOレンジャー」を置くことが決定。コンシェルジュのように店を予約したり教えたりするだけでなく、実際にいっしょに歩きながら街を案内するもので、ユニフォームは色ごとに「赤がお酒を出すお店の案内」など、それぞれ意味を持たせた。

街歩きを楽しんでもらうためにOMOレンジャーが誕生(写真:船戸俊一)

 店舗発掘の流れで、ベテランの小野寺も飲食サービスと同時にOMOレンジャーの一員となることが決まった。