全4436文字
スタッフは頻繁にミーティングを重ねる

イレギュラーな状況にどう対応するか

 ハイシーズンでいつもよりも忙しいなかでオペレーションが混乱したときには、スタッフの配置をその場の状況に合わせて柔軟に変更する難しさが浮き彫りになった。廣瀬は働き方の定着について「6合目くらい」とみているが、このときにはレストランのビールに欠品が出る在庫管理の課題も同時に浮上。バリならではの物流の課題に対し、仕組みを大幅に見直した。

 スタッフの課題に対しては、皆とじっくり話し合うことから始めた。わかったのはオペレーションの設計が高稼働率向けでなかったうえ、緻密さが不足していたこと。スタッフの配置も悪く、顧客に対して最前線で状況を判断すべきときにバックヤードの作業に当たっているケースがあった。イレギュラーな場面で瞬時に判断する大切さを改めて知った廣瀬は「一人一人が経営判断するのが強い組織。そのためにこれからもスタッフに考えてもらい、自分で判断できる組織を目指す」と話す。

スタッフの成長が施設の強さにつながる

 バリは日本からの観光客が最も多かった時期もあるが、2011年からはオーストラリアが首位となり、最近中国に代わった。星のやバリの場合、宿泊客は日本からが5割で残りは北米、オーストラリアなどだが、今後日本以外を拡大する見込み。スタッフの成長が今後もカギをにぎる。星野は「今は日本からのマネジメントの社員がいるが、3年後には総支配人やユニットディレクターを現地スタッフに任せられる組織にしたい」と話す。

星野は星のやバリの運営を3年後には現地スタッフに任せる考えだ(写真:栗原克己)