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 日経ビジネスは2018年10月29日号で特集「星野リゾート 世界への成功方程式」を掲載。関連記事を日経ビジネスオンラインで随時、公開する。

 星野リゾートでは社員の働き方やサービスのあり方などをめぐってさまざまな「事件」が起こる。星野佳路代表は「事件のなかにこそ、課題を解決するヒントがある」と前向きな姿勢で臨む(以下敬称略)。

星のやバリは2017年にオープン

 星のやバリはインドネシアバリ島にあり、星野リゾートにとってバリはタヒチに次いで2カ所目となる海外施設だ。

 開業は17年。タヒチが既存施設の運営を引き継いだのに対して、バリでは現地の投資家と組み、建物を設計する段階からかかわった新規案件だ。海外で宿泊施設を立ち上げるのは、バリが最初のケースだ。

 星のやバリはバリ文化の中心地であるウブドの東側に位置している。近くに「聖なる河」と呼ばれ水流が流れ、昔ながらのバリの風景が色濃く残る。

The Hero and the Outlaw
Margaret Mark、Carol Pearson著
ブランドを12のキャラクターに分けて解説。それに合わせてトーン・アンド・マナーなどを考えていく。

 星野リゾートには高級リゾートの「星のや」、温泉旅館の「界」、ファミリーらが対象の「リゾナーレ」、都市観光の「OMO」という4つのブランドがある。バリにあるのはこのうち、星のやブランドの施設だ。

 それぞれのブランドの認知度は高まっているものの、星野リゾートの調査によると、社名と比べた場合にはまだ認知度に差がある。それだけに星野は「それぞれにもっとキャラクター、パーソナリティを持たせる必要がある」と考えている。

 本書はすべてのストーリー、世界のブランドは12のキャラクターのいずれかに当てはまるとする。そして、キャラクターが決まれば、そのために必要なトーンアンドマナーなどをマニュアル的に理解できるという。例えば、ハーレーダビッドソンの場合はアウトローであり、ブランドには「縛られない自由」がある。

 星野によると、ブランドの関係を漫画にたとえるとわかりやすい。「『巨人の星』では、星飛雄馬というヒーローを取り囲み、アウトロー、エクスプローラーなどいろいろなキャラクターがいる。同じことがドラえもんにも言える。星野リゾートを魅力ある、巨人の星やドラえもんの世界のようにするには、界とリゾナーレは同じキャラクターであってはいけない」と話す。そのために、いろいろな社員に同書を勧めているという。