このことが利益率のアップにつながっています。アパグループのホテル事業の経常利益率は30%を超え、創業以来、黒字です。また、光熱費の削減は宿泊客当たりの炭酸ガスの排出量を減らす意味でも効果があります。

芙美子社長:部屋は狭いですが、ベッドとテレビは大きくしています。最近はシングルルームでも50型の大型テレビを導入しました。ベッド幅も120cmから140cmに広げています。

外志雄代表:うちのホテルは「狭いよ」と文句を言われますが、テレビやベッドについては文句を言われない。ここはバランスだと考えています。

 値段が安く、部屋が広ければ、さらに顧客満足度は高まるかもしれませんが、経営的には難しくなります。実際、うちが買収したホテルはどこも客室が広い。経営効率が悪いホテルをうちは買収していますが、部屋が広いから経営が傾いたとも言えます。

 バランスのいい経営をしないと、今度はうちが買収される側になってしまいます。

ベッドとテレビ以外、設備面では何か改善していますか。

芙美子社長:照明を工夫して部屋を明るくしたり、ベッドにUSBの充電器をつけてスマートフォンなどを充電できるようにしたり、ベッド下にトランクなど大きな荷物を収納できる工夫をしたりしています。常に進化して、サービスを向上させています。

外志雄代表:部屋は事務所レベルの明るさで書類や地図をベッドの上でも見やすいようにしています。多くのホテルは客室の照明を暗くしていますよね。明るい場所はデスクしかありませんが、そこで地図を見ようと思っても広げる範囲が狭い。

 ベッドは広いのに、ベッドを寝るだけのために使うのはもったいないと考えました。ベッドの上で地図を見たり、書類を見たり、荷物の整理をしたりできる方がいいと考え昨年、試験導入しました。それが好評でしたので今は本格的に導入を進めています。

 あとは鏡を利用して部屋を広く、明るく見せるよう工夫しています。鏡の設置は経営的にはコストパフォーマンスがいい。鏡の値段以上に、室内が快適になる効果がありますから。

「アパホテルは常に進化して、サービスを向上させている」と語る元谷芙美子社長
「アパホテルは常に進化して、サービスを向上させている」と語る元谷芙美子社長

芙美子社長:1回アパに泊まってもらったら、ほかのホテルには行けないと思います。「You'll be back!」。「次も、その次もアパホテル」ということです。平均徒歩3分以内の駅前立地、サービスなど、そこは自信があります。

外志雄代表:ホテルは立地産業です。とにかく立地第一です。重要なのは宿泊客の時間です。まず、駅の近くにホテルがあることで移動時間を短縮します。チェックアウトはキーをボックスに入れるだけのフリーチェックアウト、チェックインでもできるだけ時間がかからないよう従業員を教育していますし、自動チェックイン機の導入も進めています。

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