ANAのサービスは「体育会系」とも称される(写真:Aviation Wire)

 日経ビジネスがビジネスパーソン約5300人を対象に実施したエアライン満足度調査。国際線の総合ランキングで2位だった全日本空輸(ANA)は、サービスで53.3点と5項目の総合点(206.2点)のうち、約4分1を稼いだ。ANAはどのようにサービス力を磨いてきたのか。

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 「ANA(全日本空輸)とJAL(日本航空)の機内サービスへの評価は大差がなく、好みによるところが大きい」

 エアラインの顧客満足に関する取材をしていると、そんな声を何度も聞いた。実際、日経ビジネス調査のサービス項目のスコアは、ANAが53.3点で、JALが53.6点と拮抗していた。

 今回のエアライン調査の声をすべて紹介できないが、ANAに対しては以下のような声があった。「客室乗務員の対応は世界一。キョロキョロ見回しただけできてくれる」(54歳、部次長)。JALには「客室乗務員の気配りは世界一。(英ロンドンの)ヒースロー空港で出発が遅延した時クーポンをくれた」(53歳、部次長)という声があった。世界一は1つしかないのだから、それぞれの顧客の好みがはっきり分かれていると言える。

 ANAのサービスの特徴は、「顧客の心に半歩踏み込んだサービス」を心がけてきた点だ。そのために現場にはマニュアルを超えた対応を求め、ある程度の裁量が委ねられている。

 今夏、ANAのサービスを象徴する事例があった。新千歳空港を出発予定だった伊丹空港行きの飛行機が1時間以上、遅延していた機内で、歌手の松山千春さんが代表曲「大空と大地の中で」を熱唱した。

 同機に搭乗していた松山さんが、遅延にいらだつ乗客を和ますために客室乗務員と機長に掛け合い、客室乗務員用の機内マイクを借りたというのがその経緯だ。

 マニュアル頼みであれば、機内マイクを渡すことはなかったかもしれないが、ANAの客室乗務員と機長は、松山さんの申し出を現場の判断で受け入れた。投稿サイト(SNS)「ツイッター」では機内が拍手喝采に沸く様子が映し出されている。こうした機転にネットでは、「神対応」など好意的な声も多かった。

 ただし、ANAには批判の声も寄せられたという。松山さんの歌が好きではない利用者にとっては、余計なサービスに映ったのかもしれない。