全1962文字

様々な分野で活躍する一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム。今月は日本初のネット専業銀行として創業した、ジャパンネット銀行の田鎖智人社長にお話を伺った。第2回は、ハードなスポーツ経験や休日の過ごし方について聞いた。

 私は人から「無理じゃない?」と言われるようなことにチャレンジして、やり遂げることには闘志を燃やすタイプです(笑)。以前は山岳レースと呼ばれるトレイルランの大会などによく参加していました。

 最も過酷だったのは、2012年の春に富士山麓で開催された「ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)」ですね。UTMFは、世界でも有数のトレイルランレースとして知られているフランスの「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UTMB)」が、初めて姉妹大会と認定したレースです。UTMBはヨーロッパアルプス最高峰のモンブランを取り巻くフランス、スイス、イタリアの山岳地帯を走るレースで、全長約170キロメートル、累積標高は1万メートルにも及ぶコースを、約3日間かけて走破します。この大会のスピリットを共有する世界初の姉妹大会が、日本最高峰の富士山で行われると聞き、「ぜひチャレンジしてみたい!」と思いエントリーしました。

一晩走り続け言葉にできぬ達成感

 私がエントリーしたのは、UTMFの「STY(Shizuoka to Yamanashi)」と呼ばれるハーフコース。2019年度からは廃止になるそうですが、富士山麓の半周約82kmを、26時間以内で走るというものでした。まずは完走を目指して、毎週末に20~30キロメートルを走り、階段の上り下りなどで脚力を鍛えました。

 そうして迎えた本番でしたが、思っていた以上にキツかったですね。コースの途中に給水や食事、仮眠が取れるエイドステーションが何カ所かあります。エイドの関門には制限時間があって、私はいつもギリギリの到着になっていたので、一昼夜ほとんど走り通しでした。

 特に大変だったのは、夜間です。山の中なので、本当に真っ暗闇なんですね。ヘッドライトの明かりを頼りに走るのですが、ぬかるみがあったり、木の根や枝があったりして、それを瞬時に判断して避けながら進んでいく。時には足を滑らせてしまい、「あっ!」と思って手を着いたところが急な斜面で転げ落ちそうになり、冷や汗をかいたこともありました。ただ、常に緊張している一方で、その状況をアスレチックゲームのような感覚で楽しんでいる自分もいました。