国際試合ではフィジカルの強さが不可欠

 サッカーの技術面を見ると、日本の選手たちは非常に丁寧です。それに加えて組織立ってプレーをする、規律を守るということに献身的です。そして試合中は誰もサボらずに粘り強く、よく動くということが、ほかの国のチームよりも長けている部分だと思っています。それに賢さも持ち合わせています。

 この長所を生かし切ることで、なでしこは2011年の女子ワールドカップで世界の女子サッカー界に旋風を巻き起こしました。それまでは、ドイツやアメリカといった国が強いフィジカルを武器にして勝っていました。しかし、なでしこジャパンの先ほど言ったようなプレースタイルが、女子サッカー界に変革をもたらしたと考えます。

 今はほかの国も、なでしこの良い部分を取り入れ、さらにフィジカル的な部分でもレベルアップしています。ですから、選手個人の技術の巧みさ、賢さや粘り強さ、組織的な戦術でなでしこが勝っていくには、倍がけでプラスしていかなければいけないのです。

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 中でも、日本女子にとってウィークポイントとなるフィジカル面は特に強化しなくてはいけません。フィジカルに左右される1対1の弱さを言い訳にすることはできないと思います。所属するクラブなどで、筋力トレーニングをもっとやってほしいですね。でも、女子選手は筋肉をつけると重くなってプレーにキレがなくなりそうだと思っているのか、なかなか強い負荷の筋トレを男子選手ほどはやりたがりません。

 そういう私自身も、現役時代は「巧さで切り抜けてやる!」と考えるタイプでした(笑)。でも、国際試合になるとそれでは太刀打ちできないことを、何度も経験しました。アメリカの大学生の筋トレの量といったら半端ではないですからね。それを見て、「これではフィジカルで負けるな」と納得しました。そこで、スポーツクラブでアルバイトをしながら選手生活をして、体の仕組みやトレーニングの方法などを勉強しました。そうやって筋力を強化したことで、プレー自体が変わったことを実感しています。