ヒマラヤでは3カ月もつ男性ホルモンを導入
熊本先生によると、「男性ホルモンを注入すると、全てのやる気が増える」と言います。どうしても歳をとると、「もういい、止めよう」思ってしまいがちです。それが「1歩、2歩、そして、3歩踏み出そう!」という元気が出てきます。そして何か目標を持つ、挑戦しようという気持ちを持つことは、自分で男性ホルモンを作り出すことにもつながるんですね。
僕はクロスバイクにも乗るんですが、自転車のサドルは前立腺が圧迫されて悪い影響があると聞いたことがあります。そこで、洋式トイレの便座のような形をしていて、前立腺を圧迫せずに保護するサドルを使っています。これは、自転車を使う人とEDとの関係を示した、いくつかのアメリカでの研究結果を受けて、「これは由々しき問題だ!」ということで開発されたそうですよ。
日本では男性ホルモンの注射やシアリスの服用、ED治療というと、後ろめたい印象を持つ人も多いですよね。でも、中高年の活力向上やアンチエイジングに取り入れるには良い方法だと思います。元気な年寄りが増えることは、今後の日本社会のためにもなりますから。僕の友人や仲間で70代、80代の「元気がなくなった」という連中に勧めると、みんな生き生きしてきますよ(笑)。
この秋からまたヒマラヤに入るので、8月に札幌で準備とトレーニングを始めます。今回も熊本先生のお弟子さんのクリニックで男性ホルモン療法をします。従来は2週間に1回の注射が必要でしたが、今では3カ月に1回で効果が持続できる薬があるそうです。80歳のエベレスト登山の時には、国際山岳医の大城和恵先生という方が付いてくれて、熊本先生の指示で日本にいる時と同じように注射してくれていました。でも、3カ月に1回のほうが長期滞在になる登山では都合が良いので、今回のヒマラヤ登山ではそちらを始めてみようかと思っています。
そうして、来年は8201mのチョ・オユーに登頂してスキー滑降、そしてその5年後の2023年には、90歳でもう一度、エベレスト登頂に挑戦するつもりです。
(まとめ:松尾直俊=フィットネスライター/インタビュー写真:村田わかな)
プロスキーヤー

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