生涯現役のスポーツマンがアスリート

 こういった新しいトレーニング方法を、アスリートやスポーツ愛好家の方々にもっと伝えていきたいですね。特に高校時代から若い人たちが実践してくれれば、日本からも優秀なアスリートがもっと出てくると思うんです。体格や身体能力はきちんとしたトレーニングをしていれば作れますし、人種の違いは全く関係ないと私は考えています。

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 40~50代は社会的な地位が重要かもしれませんが、年をとって70代になると、日焼けして健康的な体型を保っているということがステータスになってくると思います。今、僕も社長という地位にいますが、それは表面的な価値です。仕事を引退してしまえば、そんな肩書きなんて何の役にも立たない。いつまでも健康でいられることが、一番偉くなるんです(笑)。

 ちゃんとした体を保ち、ゴルフが上手いとか、まだフルマラソンを走っているという人のほうが尊敬されているように感じます。僕の父親は75歳ですが、これまでにエイジシュートをもう7回もやっているんです。同世代の憧れ、ヒーローですよね。

 例えば、高校や大学で日本代表に選ばれたラグビー選手だったけど今は何もしていない人と、75歳で18ホールを73で回るゴルファーを比べると、どちらがアスリートだと思いますか。日本の場合は前者を指し、過去の成績であの人はすごい選手でアスリートだったと言われますが、本当は“今が大切”なのだと思います。年齢を重ねても今現在、体を動かしている、動かせるという人のほうが、よっぽどアスリートなんです

 よく、トレーニングする時間がないという人がいますが、そういう人は朝起きるのが遅いのが原因だと思いますね(笑)。朝の時間をもっとうまく使えば、十分に体を動かす時間を作れると思います。


(まとめ:松尾直俊=フィットネスライター/インタビュー写真:村田わかな)

安田秀一(やすだ しゅういち)さん
ドーム 会長、CEO
安田秀一(やすだ しゅういち)さん 1969年東京都生まれ。法政大学文学部卒業。大学在学中はアメリカンフットボール選手として活躍。3年時のハワイ大学との合同合宿で、日本とのスポーツ環境の違いに驚く。卒業後、三菱商事に入社するも、国内のスポーツ環境の改善を目指して1996年にドームを設立。当時1本500円したアスリートの安全環境面を整えるテーピング用テープを1本180円で販売することに成功。1998年、米NFL(National Football League)の下部組織であるNFLヨーロッパのプロコーチとして派遣され、アンダーアーマーと出会う。そのスポーツウェアの性能の高さに驚き、パートナーシップを締結。そのほか、スポーツサプリメント販売や、プロアスリートのフィジカルサポートなども手がける。