一流人が実践する健康マネジメント術を紹介する本コラム。今月は、「earth music & ecology」などを展開するストライプインターナショナルの石川康晴社長にご登場いただく。最終回となる第3回目では、日々の激務を支えるエネルギー源となる、食事や料理へのこだわりについて伺いました。
テニスやランニングを始めたのは、創業時に身長174㎝で体重が50kgだったのが、10年後に60㎏、15年後には65㎏と、だいたい1年に1㎏ずつ増えていってしまったのも理由ですね。体重が継続的に増えたのは、夜のビジネス会食が増えたというのが原因だと思います。今は多い時には、夜6時から1回目の会食があって、9時半からはIT系などのCEOと2回目の会食ということもあります。IT系の会社の方は比較的夜が遅いですからね。
このように会食で食事量が増えがちなので、日中の食事にはかなり気をつけていますね。まず、1日2リットルはミネラルウォーターを飲むようにしています。それから、会食ではかなりカロリーが高い料理が出ますから、昼食はサラダ中心で済ませています。朝食はヨーグルトと野菜ジュースです。本当は3食でバランス良く栄養を取りたいところですが、夜の食事が重たいので、その分を日中に調整しています。
よく会食で「炭水化物は抜いています」とか「油物を控えているんで」と言う人がいますが、食事に招かれた時に僕が色々と残してしまうと、相手に気を使わせてしまうので、できるだけ全部食べるようにしています。
自作料理では昆布だしにこだわり
夜は週に4~5回のビジネス会食と、外で食事をすることが多いのですが、実は時間のある時には自分で料理を作るのも好きです。料理は創造力を刺激してくれますし、調理している間は無我夢中なので無心になれます。ただ、やたらと無駄な調味料やスパイスが増えてしまうのは問題なんですけどね(笑)。
最近は特にだしに凝っているんです。中でも昆布だしが大好きで、これを入れておけば大抵はおいしくなります。最強で万能ですね。時には、鰹と昆布の合わせだしでうまみを高めて楽しんでいます。味噌汁がすごくおいしくなりますよ。
それからよく作るのが、豚の角煮ですね。ただ、東京の自宅付近のスーパーでは、なかなかバラ肉のブロックが売っていなくて困ることがあります。岡山の家にいる時には、近くの肉屋に売っているのでよく作っています。
「米は万能」、絶対に抜きません
体重を減らすために野菜をたくさん食べたいので、チョップドサラダをよく作ります。キャベツやレタス、その時の気分でトマトやアボガドなど、野菜類を1センチ角に切って、コーンやツナを混ぜるんです。色々な食材の味がミックスされて食べ応えがあるので、一人でレタス1個分くらいは食べられます。
角煮とサラダというと、対極にあるような料理ですが、たんぱく質と食物繊維の摂取でバランスが取れているのかもしれません(笑)。
最近は、米を抜く人が多いですが、僕はそれには抵抗感があるんです。以前、栄養学を学んだこともありますが、その時の先生が「米は万能だ」と言っていたんです。食物繊維の塊であり、エネルギーになる糖質も含んでいる。腸が活性化してお通じも良くなりますし、脳が必要としている糖質も十分に補給できる。だから、米を食べていると精神的にも安定すると聞いてから、絶対に抜かないようにしています。
ですから、ご飯を抜いてダイエットするくらいであれば、スポーツで体を動かして消費したほうがいいという考え方なんです。最近お付き合いがあるIT系企業の経営者の方々も、体を動かすことに対しての意識が高いです。マラソンやトライアスロンをやっている人が多くて、中にはアプリを使って食事と運動を管理している人もいますから。
例えば、私たちの会社が特別協賛している岡山マラソンを走るから一緒に来ませんかとお誘いすると、岡山まで参加しに来てくれる人たちもいます。それで10㎞くらいまでは一緒に走りますが、みなさん本当に速いので、途中から僕は付いていけなくなるんですけどね(笑)。
ハードな運動も健康を管理する上で素晴らしい方法だと思いますが、僕はオーガニックというか、自分ができることを自然体でやって、健康の維持管理をしたいと考えています。自分自身の体に備わった本来の機能と、ナチュラルな食べ物の栄養とパワーを使っていけば、自然と健康は維持できるのではないでしょうか。
(まとめ:松尾直俊=フィットネスライター/インタビュー写真:村田わかな)
石川康晴(いしかわ やすはる)
ストライプインターナショナル 社長兼CEO

1970年12月15日岡山市生まれ。岡山大学経済学部卒。94年創業。95年クロスカンパニーを設立。99年に「earth music&ecology」を立ち上げ、売上高はグループで1200億円を超える。グループ従業員は約4700名、店舗は国内外合わせて約1400店舗まで拡大。2016年7月企業家大賞、2017年1月経済界大賞ライジング賞を受賞。京都大学大学院在学中。石川文化振興財団 理事長。内閣府男女共同参画推進連携会議 議員。
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