心身の健康あってこそ素晴らしい人生に

 先日、ある大手企業の選抜された管理職を対象に「幹部職員研修」を実施したのですが、ちょっと驚いたことがありました。この研修の総括の時間には、受講者全員に今後の決意を表明してもらっています。そこである参加者が、「研修はとても刺激になりました。私は今後、毎月1冊はビジネス書を読んで勉強します」と発表したのです。

 毎月5冊とか毎週1冊ならまだしも、毎月1冊とは…。私はその場で思わず、「大手企業の選ばれし管理職が、ビジネス書を月に1冊も読んでいないなんて情けない!」と厳しいコメントをしました。有名大学を出て、難関をくぐり抜けて入社した優秀な人が、20年30年たつと全く「ただの人」になってしまっている。人事の担当役員に「選抜方法を見直したほうがよいのでは」と苦言を呈してしまいました。

 1日に数十分でも1時間でも、心を落ち着かせて本を読む時間を作って、ぜひ「徳」や「才」を高める努力をしてほしいと思います。そのためにも、飲み会、特に2次会などはほどほどにして、規律ある生活を送ることが大切だと思います。

 私の座右の銘は、激動の幕末に活躍した高杉晋作の辞世の句「おもしろき こともなき世を おもしろく」。もう1つは、『かもめのジョナサン』の著者として知られるリチャード・バックの「たいへんだったが、しかしすばらしかったといえる人生を送りたい」です。人生を面白いもの、素晴らしいものにしていくのは、結局、自分自身なんですよね。波瀾(はらん)万丈の楽しい人生を送るには、心身の健康あってこそだと思います。

(まとめ:田村知子=フリーランスエディター/写真:村田わかな)

岩田松雄(いわた まつお)さん
リーダーシップコンサルティング 社長
岩田松雄(いわた まつお)さん 1958年生まれ。大阪大学経済学部卒業後、日産自動車入社。製造現場、営業、財務などを幅広く経験し、UCLAアンダーソンスクールに留学。外資系コンサルティング会社の日本コカ・コーラビバレッジサービス常務などを経て、2000年ゲーム会社のアトラス社長、2005年「ザ・ボディショップ」を運営するイオンフォレスト社長に就任。2009年スターバックス コーヒー ジャパンCEOに就任し、「100年後も光り輝くブランド」を掲げて業績を向上、2010年度には過去最高売上を達成した。2010年UCLAビジネススクールより全卒業生3万7000人から「100 Inspirational Alumni」に選出される(日本人は4名)。2011年リーダーシップコンサルティングを設立し、現在は次世代のリーダー育成に注力している。『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』(サンマーク)、『ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由』(アスコム)、『いつ、どこでも求められる人』の仕事の流儀』(三笠書房)など著書多数。