日本の建築は「ガラパゴス化」していないか

 材料、バイオ、機械、IT──。開発が進む先進技術を建築の分野に取り入れることによって、建築デザインや建築計画に新しい風が吹き込まれていく。

 実際、冒頭で紹介したプリツカー賞を受賞した日本の建築家たちの多くは、新旧の高い技術と斬新な意匠とを融合させることによって、価値の高い建物を生み出してきた。

 それだけに日本の建築の現状を憂う声も出ている。紙や木といった素材を生かした数多くの建築をつむぎ出し、2014年にプリツカー賞を受賞した建築家の坂茂氏は、欧州などと比べた日本の木造建築の現状を、背景にある日本独自の規制などの問題も指摘したうえで、「ガラパゴス化している」と表現、警鐘を鳴らしている。

 日本の建築技術は確かに優れていた。だが、何でも「世界最高水準」だという思い込みから脱却し、改めて世界中で開発されている多様な技術や異分野の技術に目を向ける時期が来ている。将来も建築の分野で日本が世界に誇れる地位を堅守していくため、まさに今、この姿勢が求められている。

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