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集客力高める仕組みづくりを

 12年にオリンピック・パラリンピックを開催した英国のケースでは、この間に蓄積した運営ノウハウを活用して、海外でコンサルティングをするという新たな「輸出」産業が生まれた。前出のSTHもその典型例だ。英国では、スタジアム設計の建設コンサルティング事業も根付いている。ラグビーワールドカップと東京オリンピック・パラリンピックの大会組織委員会はそれぞれ独立している。だが互いに連携して切磋琢磨(せっさたくま)することで、ノウハウの蓄積が拡大していくだろう。

 日本を訪れる観光客は年々増えているが、日本の「集客力」をさらに高めるうえで欠かせないのは、移動や消費をよりしやすくすることだろう。例えば、交通チケットの共通化やキャッシュレス決済の浸透などだ。

 キャッシュレスの普及は政府も推奨しているが、ゴールデン・スポーツイヤーズをきっかけに本格導入できないものか。インセンティブは必要だが、空港で標準的な決済アプリをダウンロードするような仕組みを導入すれば、訪日客の消費行動が変わるはずだ。

 イベント開催は、多言語への対応、案内サインの統一など、訪日客がより楽しめることを念頭に置いた様々な「おもてなし」を学ぶ機会ともなる。日本の高い技術力を世界に示すと同時に、国内外の来訪者を国際的な幅広い視点をもってもてなすノウハウを得る。それらのノウハウは、海外輸出できる新たなサービス産業の誕生にもつながる。

(聞き手=北西 厚一)