大半が埋め立て処分か投棄されてきた
●世界のプラスチックごみの排出量と処理法

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出所:経済協力開発機構(OECD)
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 海洋に流入しているマイクロプラスチックのもとが何か、解明されていない面もある。だが解明を待つまでもなく、ストローやレジ袋、ペットボトル、フォーク、スプーンなど、いわゆる「シングルユース(1回利用)」のプラスチック製品を減らす努力は不可避だ。

 海に流入するマイクロプラスチックは、年800万トンとされる。世界で生産されるプラスチック製品の2%にすぎないが、海洋に流れ込むのは砂浜など海の近くで捨てられたプラスチック製品だけではない。街で捨てられたプラスチックが川から海に流入している。

(写真=アフロ)
(写真=アフロ)

 プラスチックは寿命の長い製品にも使用されるため単純比較はできないが、EUのプラスチック製品生産量約6000万トンに対して回収されたのは約2700万トン。一方、プラスチック循環利用協会(東京都中央区)によると、16年に日本国内で作られたプラスチック製品は1075万トン。廃プラとして回収されたのは899万トンだ。

 日本の回収率は他国に比べて高いと考えられるが、海洋に流入するマイクロプラスチックを減らすには、日本でも一層、回収されないプラスチックを減らす必要がある。

 プラスチックは、軽くて丈夫で成形しやすいという利点があり、機能性の高さは論をまたない。前述のように、紙や生分解性プラスチックなどの代替素材への切り替えは選択肢だが、高機能包装材など、代替できない製品もある。また、約1000万トンにのぼる年間需要をまかなえる代替素材の生産体制の構築も現実的ではない。そこで筆者が注目するのが、回収したプラスチックを再度プラスチックとして利用する「マテリアルリサイクル」の環境整備だ。

 プラスチック循環利用協会によると、16年の回収したプラスチックの再利用率は84%。だが内訳をよく見ると、プラスチックとして再利用される「マテリアルリサイクル」の率は23%にとどまっている。この背景には、集める段階でのプラスチックの質や状態がばらばらという特有の事情がある。

 古紙やアルミ、鉄スクラップは回収材の仕様を細かく分類し、それに基づいた再利用のサイクルが出来上がっている。だが、プラスチックではこうした仕組みが整備されてこなかった。経済産業省は17年度、事業者へのヒアリングを実施するなど、再生利用の拡大に向けた検討を始めた。

回収材の呼称の共有を

 排出者が区分でき、ユーザーが利用できる呼び名を共有することで同質のプラスチックを回収でき、利用価値が高まれば、おのずと回収率の向上が見込める。併せて、再生プラスチックの成形方法など技術開発も期待される。

 EUを中心にマイクロプラスチックが規制されてきたことに加え、これまで使用済みプラスチックを資源として受け入れてきた中国が方針を変更。18年から生活由来のプラスチックごみの輸入を停止した。

 ごみとして排出するプラスチックの受け入れ先がなくなってきている面からも、プラスチックの再生利用をさらに進めるべき段階に来ている。

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