10月3日に開幕した国内最大の家電・IT関連の見本市「CEATEC(シーテック)ジャパン2017」。One JAPANは有志団体でありながら、シーテックでブースを展示した。

 AI搭載ロボットのクリップに加えて、東芝デジタルソリューションズの音声合成技術と朝日新聞社のスマートフォン向けニュースアプリを組み合わせた試作品や、ハッカソンから生まれたインターホンと画像認識技術を組み合わせるサービスなどを展示した。

 One JAPANは、その一つ目の目的である「共創」のプラットフォームとしての存在感を強めつつある。

 共同発起人である大川陽介(富士ゼロックス)はこう言う。「まず(One JAPAN内の)人の信頼があって、その上で自分たちが持っているリソースを持ち寄って『こんなことができるんじゃないか』と考え始める。だからこそ、すぐに動ける。自分の意思で動ける」

 これまで見てきたコラボレーションは、One JAPANの公式なイベントだけでなく、ふとした会話や人の紹介など、ゲリラ的に始まって数カ月で企画化し、それぞれの企業の稟議を通して形になったものばかり。「この指止まれ」で立ち上がる数々のプロジェクトは、何より大企業特有の遅々とした意思決定とは無縁である。

 前述の通り、批判はあろう。クリップにしろcooklin’にしろ、One JAPANは製品化にこぎつけていない。ただし、まだ発足1年である。

 共同体ではなく、「実践」共同体――。One JAPANはこの言葉にこだわる。

 だからこそ、彼らは共創についても「もっと挑戦しなければ」(代表の濱松)と謙遜する。「何も成し遂げていない」。この批判は、今後数年先に「実践」される成果を前に意味をなさなくなる可能性がある。

 次回は、発足1年を振り返り、今のOne JAPANの課題を共同発起人3人へのインタビューから明らかにする。