全世界で1つの「象印」ブランドを展開する

調理家電では新興メーカーが台頭していますが、どのような企業が脅威になりますか。

市川:注意すべき勢力は2つあると思っています。1つは海外メーカー。家電だけでなく、ファストファッションや家具の業界でも、特に欧州のメーカーが日本をターゲットにしています。海外のメーカーは、日本のメーカーとは違う発想で製品を作りますから、消費者ニーズの多様化に対応するという点で、家電製品の活性化につながっています。加えて、そうした海外メーカーの製品は安くはないので、全体として家電製品の単価を上げる一因にもなっていると思います。

 もう1つの勢力は、日本で新規参入したメーカーです。特に炊飯器に関しては、ここ数年様々なメーカーが出てきていますが、実は以前から調理家電はメーカー数が多い。消費者にとっては海外メーカーと同様、デザインを含めて選択肢が増えるわけですから、こちらも活性化の1つでしょう。我々はそういうところに負けない、本当の消費者目線に立った商品を出し続けるのが基本だと思っています。

現在、売上高の3割を占める海外市場。中国やタイなどで営業体制を拡充し、海外事業の強化に取り組んでいます。海外展開はどのような戦略で臨みますか。

市川:これまで台湾と米国が2大市場でしたが、ここ数年で一気に中国が海外市場のトップに急浮上しました。タイ・バンコクに販社を新設し、バンコクから東南アジア、西アジアをカバーするという施策を取っていきます。

 海外展開における当社のフィロソフィー(哲学)は、「One World, One Brand, One Quality」です。日本を含む全世界で、象印という1つのブランドで展開する。そして、製品は全ての国に共通する品質基準で作られたものであるという考え方です。日本と同じクオリティーの商品を海外で販売すれば値段はどうしても高くなってしまいますが、各国にはそれを求める層が一定数いるので、質は下げてはいけないと思っています。もちろん、各国の電気規格に準じるなどのローカライズはしますが、基本は一緒です。