サンピットの久次辰巳社長は、学習塾の運営を起点に経営の立て直しに成功した(写真:菅 敏一、以下同)

 サンピット塾の運営は当初から順調だ。浅野氏の指導方法が地域で評判になり、受講生が着実に増えていったからだ。

 浅野氏は冒頭に紹介したような最先端の知見や、時事ネタをふんだんに盛り込んで、生徒の学習意欲を高めている。各科目も基礎から積み上げず、いきなり入試問題を解かせる。回答に必要な知識を確認しながら、かみ砕いて教える作業を繰り返している。「ハイレベルな問題の理解を重ねれば、必ず目標までレベルアップする。志望校で実際に出題された問題に対して、生徒も意気込んで取り組む」(浅野氏)。初年度(2014年度)は6人、2年目(2015年度)は4人の中学3年生が入塾し、いずれも志望する高校に全員合格した。

 学習塾が成果を上げるにつれて、本業のスーパーの客足も戻っていった。塾に通う生徒や、送り迎えをする家族がスーパーに立ち寄って商品を購入するようになっただけではない。「地域のために頑張っているから、弁当はサンピットさんにお願いするよ」。こんな注文も増え、売り上げが伸びていった。

サンピットの移動スーパー「ウキウキ号」

移動スーパーも一役買う

 サンピットは2014年、学習塾と並んで移動スーパー「ウキウキ号」の運行も始めた。かつて常連客だったが、身体の調子が悪くなり、外出がままならなくなった高齢者も多い。こうしたシニアを再び常連客に戻すのに、ウキウキ号が活躍しているのだ。

 ウキウキ号は、うきは市内の異なるコースを毎日走り、高齢者を中心に好評を得ている。久次社長が自らハンドルを握ることも多いという。

 赤字が続いたサンピットの営業損益は2014年度、実に5年ぶりに黒字に転換。2015年度は利益額を増やした。一連の施策が成果を上げてきた形だ。