経済が中国に関するイシューのすべてではない

中国政策はどう変わるだろうか。

フォンテーヌ:クリントン氏が大統領になれば、中国に対して断固とした態度を取る可能性がある。強固な同盟関係の構築を最重要視し、安全保障における協力関係を活用する考えのようだ。日本だけでなく、オーストラリアやフィリピンとの同盟関係も同様で、ベトナムやインドネシア、その他の国々との協力関係も含まれる。南シナ海における中国の行動についても、航行の自由やそれに準じたことを保証するために、毅然とした対応を取る可能性がある。

 ただ、困難な問題もいくつか残っている。中国が南シナ海の埋め立てを続け、南シナ海での軍事拠点作りをやめなければ、なにがしかの軍事行為を取らなければならなくなるかもしれない(誰もそれを望んでいるとは思わないが)。言い換えれば、軍事行為を取らない限り、何が正しい対応なのかを知ることは困難だ。全体でいえば、直近の政策との継続性を見ることになるだろうが、中国への対応という面ではより断固としたものになるだろう。

 トランプ氏に関してだが、彼は米国と中国の関係を経済的な領域でのみ理解しているようだ。そのため、彼の話は中国が米国人の雇用を奪い、人民元を人為的に一定の水準に保ち続けているということがすべてだ。実際、中国は人民元を現時点で下支えしている。為替市場への介入によって、今後も下支えするだろう。

 私の理解では、トランプ氏は中国について雇用や経済の側面以外に何も言っていない。彼が南シナ海や人権、尖閣諸島、日中関係、中韓関係で何をしようとしているのかは不明だ。私に言えるのは、トランプ氏は経済でのみ中国を語るが、経済が中国に関するイシューのすべてではないということだ。トランプ氏は外交について、本当に何も語っていない。

両者ともに、シリアへの大規模な軍派遣には消極的

シリア問題はどうだろうか。シリア内戦は様々な勢力がそれぞれの思惑で介入しており、解決の糸口が見えない。

フォンテーヌ:シリアについては、米国の政策が失敗しているというかなり幅広いコンセンサスがあると思う。アレッポ(シリア北部の都市、アサド政権軍やロシア軍が反体制派を攻撃している)で起きていることを見れば、ロシアと取引するというオバマ大統領の願望を実現するための、ケリー国務長官のいかなる努力も結果に結びついていないということが分かる。そして、シリア問題に関していえば、クリントン氏やトランプ氏も同じような立場だ。

 かつて我々がイラクで目の当たりにしたように、彼らはともにシリアに大規模な地上軍を派遣するつもりはないと述べている。また、難民がほかの国に逃げ出さないように、彼らはともにシリアに安全区域を作りたいとも話している。だが、地上軍を派遣しないことがほかの国にどう映るのか、その結果として何が起きるのか、そういった安全区域を確保するためにどれだけの米軍が必要になるのか、という細部を両者ともに全く語っていない。

 クリントン氏が大統領になれば、彼女は特殊作戦部隊や空爆、現場における現地勢力への助言といった作戦により集中する可能性が高いと見ている。イラクやアフガニスタンで取ったように、他国のテリトリーを攻撃し、その領域を維持するために軍事ユニットを派遣するという作戦ではなく。

 トランプについていえば、彼は安全区域の設定については語っているが、シリアに関するコメントの大部分は内戦をいかに終わらせるかではなく難民問題だ。同様に、イスラム国(ISIS)を叩きのめすと話しているが、実際にどうやって叩きのめすのかは詳しく説明していない。ISISとシリア内戦には関連があり、米国は毎日のようにISISを空爆している。