前回のコラムで述べましたが、ドロシーは悪いことが起きると、他人のせいだと考えがちでした。私たちの中には、すぐに言い訳を考えて他人のせいにするという、アカウンタビリティ(主体性)の欠如という一面を持っています。これから続く旅の中で、もしドロシーが今までと同じようにアカウンタビリティのない状態に身を置くのならば、ドロシーは自ら行動することもないので自分の望む物を得ることは難しいでしょう。しかし、もしドロシーがアカウンタビリティを持ち、自分の力で物事を変えられると思ったら、現実逃避をした過去の自分の行動を変え、現実から逃げるのではなく立ち向かう行動ができるので、自分の望む結果が得られる確率が上がります。

 自分がどのような状態にいるのか、目に見える形で示したのが下の図です。アカウンタリビティを判断するために、「ライン」という境界を設定しました。この図のように、ラインの下側の状態に陥るのはよくあることです。私たちはこの下に落ちていく重力に打ち勝ち、上の状態に自らの力で上る必要があるのです。まずは自分自身がラインの上の状態なのか下の状態なのか、意識してみてはどうでしょうか。

障害が意欲を高める

 西の魔女は、ドロシーたちを妨害しようと、燃えやすいわらのかかしに、火の玉を投げつけます。そこを、火に強いブリキの木こりが消し止めます。この攻撃によって、当初、かかしも木こりも意欲を失います。

 私たちも、こうした妨害や障害があると自信を喪失し、企画や計画をあきらめることがあります。例えば、受験に失敗して大学をあきらめる人がいます。何か新たなチャレンジがうまくいかないと、このままの生活でいいと思い、怠惰な生活に流されることもあるでしょう。これは、日常生活でも仕事でも、たびたび起こることではないでしょうか。

 しかし、やがてかかしと木こりは、この妨害にかえって意気を高めて、ドロシーと一緒にエメラルドシティを目指そうと、再び誓い合います。現実にも、障害や抵抗があるからこそ、意欲がわいたり、戦う気持ちになることがあります。ある程度の障害、超えうる壁は、むしろチャレンジ精神を高めます。怠惰な生活を送っていても、何かに挑戦し始め、小さな壁ができて、それを越えられると自信につながります。