私たちも、時にはドロシーのように考えてはいないでしょうか? 失敗や問題を、自分以外のだれかや何かが原因だとして、自分はその被害者だと解釈しようとする傾向はないでしょうか?

 そして、ドロシーが歌っているように、心配ごとを一切しないで、自分の望むこと(=夢)だけに囲まれて、平穏な生活を送りたいという思いを、仕事でも抱いてはいないでしょうか?

自分は本当に悪くない?

 一方で、例えば経済が好転して自分の仕事の売り上げが増えたり、何か幸運なことが起こり自分の地位や役職が上がったり、チームのだれかのおかげで自分の業績が認められたりといったことが起こったとします。この場合、成功は自分の手柄にしてしまいがちです。

 失敗したときには、「自分は悪くない」と、自分を被害者だと思い込み、被害者ぶった態度をとる人が、ビジネスの世界でもたくさん見受けられます。経営者からアルバイトに至るまで、だれもが自分のミスや失敗の責任をとりたがりません。

 しかし、個人の成果、組織の成果を飛躍的に向上させるには、この「被害者意識」を克服する必要があります。もちろん失敗は事業や日常生活につきものであり、人生経験の一部です。しかし、自らが犯した失敗の責任から逃れようとすれば、苦しみが長引くばかりで対応も遅れ、失敗から学ぶこともできなくなります。成果を出すことは、失敗を含めてすべての責任を引き受けて初めて生まれるものだからです。

責任を引き受ける=主体性を持つこと

 責任を引き受けようとする姿勢は、「主体性」とも呼ばれます。主体性を持つことによって、自分自身の過去の行動と結果に責任を持ち、そしてこれから得られる結果も、今後の自分の行動一つひとつによって決まることをしっかりと意識するようになるのです。

 残念ながら現実社会には、夢のような「虹の向こうの悩みのない世界」は存在しません。それはオズの国のような「夢物語」だから存在するのです。

 しかし、あなたは自分自身で自分の望む世界を作りだすことができます。それは、あなたがしっかりとした「主体性」を持ち、それを発揮するときに実現されます。

 ただ、そうはいっても、主体性を持つことは簡単ではありません。そのためにはまず、自分の失敗を認めることが大切です。ドロシーと同じように、仕事や生活で自分の失敗を認めず、「自分は悪くない」と思い込んだことはないか、まず振り返ってみましょう。その経験を今後に生かせないでしょうか。

 これからも、生活や仕事の場面で、失敗することは必ずあります。そういうときに、責任転嫁せずにどう行動するか、ドロシーを思い出してみてはいかがでしょうか。それが「主体性」を持つことへの一歩でしょう。

 歌の最後で、ドロシーはこのように言っています。

「鳥が虹を越えるなら、私だってできるはず」

 私たちが自分を信じ、主体的な行動を起こすことで、さらなる高みに成長し、望む目標を達成することができると。いつか虹の上から見下ろすように、「自分の抱えていた悩みは小さなことだった」と振り返る日がくるでしょう。

 その自らつかみとった場所こそが、あなたにとっての「虹の向こう」なのかもしれません。

 次回は、「自信をなくさせる西の魔女の誘惑」のシーンに学びます。