アルコール対策商品は、外で飲む際に使うことが多い。自宅での1人飲みや、ホームパーティーでは、無意識にお酒を飲む量にブレーキをかける傾向があるためだ。相馬氏は「アルコール対策商品は飲む前、気合を入れるために飲む人が多い。1人飲みだと、そもそも気合を入れることがない」と指摘する。そのため、家飲み傾向が強まるほど、アルコール対策商品の需要は減少するといえる。

 一方で、飲酒機会が週3回以上と多い人向けに開発した「レバープラス」の売上高は増加傾向だ。ススキノのコンビニでも売り場の棚から消えているのはレバープラスのような飲酒機会が多い人向けの対策商品で、店によっては通常商品よりも多く並べているところもあった。夜に飲み歩くことが好きな人の動向は変わらず、付き合いや仕事の関係などで夜に出歩いていた人が減少していることがうかがえる。

家飲みが増えるとアルコール対策商品の売り上げは厳しくなる。写真はハウス食品の「ウコンの力」

 売れなくなったモノはまだある。クルマだ。なかでもデートカーが売れなくなった。日経ビジネス編集部は、デートカーを価格が500万円以下の2ドアクーペと定義し、国内自動車メーカーに取扱い車種数を調査した。デートカー市場が最も盛り上がったバブル時代の1990年は、トヨタ自動車のソアラやホンダのプレリュード、日産自動車のシルビアなど28車種あった。しかし、その数は徐々に減少。2017年は日産のフェアレディZやマツダのロードスターなどわずか5車種しかない。

 かつては借金をしてでもデートをするために愛車を買った。当時の定番デートはドライブで、意中の女性に気に入ってもらえる確率を高めるために、おしゃれな自動車に乗るのがステータスだったからだ。

 昔は若者が2人きりになって愛をささやきあう場所といえば、夜の自動車の中が代表格だった。いまは電話代が安くなった上、無料SNSアプリがあり、2人だけのコミュニケーションの場をつくる選択肢が増えてきた。自動車が必要とされるシーンそのものが消滅しつつある。「バーチャルで事足りるのに、わざわざ借金というリスクを背負ってまで車を買う若者は少ない」(松本社長)。自動車需要が低迷している理由として、「若者の自動車離れ」が挙げられることが多い。その背景には、非正規雇用者が増えて、ローンが組めないなどの金銭的な点を指摘する声が多いが、それだけではないライフスタイルの変化など根本的な理由があるわけだ。