エーピーアールが力を入れるのは、タイ・バンコクだ。2015年11月に、タイの富裕層や在留邦人向けにバー「余市」を開店。ニッカウヰスキーとともに、北海道直送の旬の食材を使った料理を提供する。その後、オープンした寿司居酒屋「えぞや」は大盛況。さらに9月27日には3店舗目となる焼肉店「えぞや」を開いた。既に4人の従業員を日本からバンコクに送り込み、店の運営や、現地スタッフの育成に力を入れる。ススキノに比べると、売上高は少ないが、人件費が安く、利益はしっかりと確保できるという。青木社長は「タイ人は北海道の食品に憧れを持ってくれており、顧客となることが期待できる」と海外進出の手ごたえを話す。

エーピーアールがバンコクに出店した寿司居酒屋「えぞや」

アフリカへホテル進出も

 誰も手を出さない地域への進出は飲食業だけに限らない。ホテルも活路を見出そうと海外へ進出する。札幌市内でホテルを運営するフルコミッション(札幌市中央区、山崎明信社長)はザンジバルに秋にもホテルを開業する。ザンジバルはアフリカ東海岸のインド洋上に浮かぶ島で、タンザニア連合共和国に属する。アフリカの楽園とも呼ばれ美しい海があるリゾート地として、ヨーロッパからの観光客が多い。日本からは1万1000キロ以上離れ、飛行機で20時間以上かかる。

 フルコミッションが得意とするのは社員寮やアパートなどをリノベーションしてホテルに仕立て運営すること。札幌市内でもオフィスビルの空きフロアをリノベーションするなどして展開してきた。だが山崎社長は「最近家賃が高騰し、採算が合わなくなってきた。海外なら少ない資本を投下して実現できるし何よりライバルもいない」と明かす。山崎社長によると1000万円ほどの投資でザンジバル島の空き家をリノベーションしホテルを運営できるという。国内投資の5分の1以下だという。ザンジバルでは札幌で培ったホテルの運営ノウハウが活用できるとみる。

 札幌で運営するホテルでは居酒屋や銭湯などを体験できるプランを提供している。国内では実費のみで開催しているが、ザンジバルでは有料のツアーにすることを検討している。例えば現地の漁業や伝統工芸といった現地の職業を体験するツアーの実施を検討している。

 このように多くの企業が新たな成長の柱を求めて海外進出に力を入れている。ただ商機を見いだせれば、進出先の地元企業も競争に加わってくる。競争を勝ち抜くためには、日本で培ったノウハウを活かしつつ、現地のニーズをくみとりながらサービスを高めていくことが求められる。