比較データとして使用した衛星画像は年間データだ。夜間光には繁華街のネオン、住宅、工場の照明、道路や鉄道の照明など様々ある。曜日や天候により日々の明るさでばらつきが出るため、年間データを使用した。

 画像は1ピクセル(1ドット)、約500メートル四方ごとに、明るさを0~255にレベル分けをした。この数値の差が10以上ある地域を抽出し、10以上減っている地域を赤、10以上増えている地域を青で色づけした。

 なお、東京、大阪、名古屋など大都市部では光量が多いため、数値が最大値の255となってしまい、変化の差を計測するにはこの解析方法では不向きだった。画像でも変化のない地域に分類されてしまっている。

 さらに、国土の大部分には赤い点も青い点もない。その大半は山岳地帯でもともと経済活動の少ない場所だ。

 こうした前提を踏まえた上でマップを見て、何より目立つのは、赤い部分が青い部分より圧倒的に多いことだ。

 赤い部分(暗くなった部分)は約3万1000平方キロメートルで国土の8.2%に相当するが、青い部分(明るくなった部分)は約1万8000平方キロメートルで4.7%しかない。しかも、日本経済の大動脈である太平洋ベルト地帯は軒並み赤ゾーンだ。

 都市部で青が目立つのは仙台市、北海道千歳市、帯広市周辺ぐらいしかない。

 なお、2012年以前の状況についても米国国防省の気象衛星「DMSP」の画像データを使用して同様の解析をした。「Suomi NPP」に比べてデータ量が少ないため精緻な比較はできないが、2013年は1993年、2003年のどちらと比べても光量が増えた青色部分が圧倒的に多かった。

 「光量=夜間経済の活力」と考えれば、宇宙から見ても日本の夜は衰退している。そしてそれは最近、数年間の傾向なのだ。

日本人の睡眠が転換期を迎えている

 「1970年以降、日本人の睡眠時間は一貫して短くなる傾向にあったが2015年、その傾向が止まった」

 NHK放送文化研究所(東京都港区)が5年ごとに実施している国民生活時間調査でこんな衝撃的な結果が出た。

 日本人の平日の平均睡眠時間は2010年の7時間14分から2015年は7時間15分へと1分増えた。土曜日は7時間37分から7時間42分へと5分、日曜日は7時間59分から8時間3分へと4分増えた。

 この調査は10歳以上の国民から1万2600人を無作為抽出している。そのため地域や年齢などは日本国民の縮図となるようバランスが取れている。

 そこで湧いてくるのが「高齢化が進んだだけではないのか」という疑問だが、結果はそうではない。

 20代男性の平日の平均睡眠時間は2010年の7時間18分から2015年は7時間27分へと9分、日曜日は7時間59分から8時間25分へと26分も増えている。また、40代女性は平日は6時間28分から6時間41分へと13分、日曜日は7時間25分から7時間50分へと25分増えている。