「ニトリを志望していない学生がほしい」というのは驚きですね。全国に店舗がありますから、学生の方も消費者としてニトリにはなじみがあるわけですよね。ファンもいると思います。あえてニトリを志望していない人を採用したいと思うのはなぜなのでしょうか。

永島:それはやはり、ここ数年間で当社の事業が変化しているからだと思います。2017年2月期で売上高5000億円を超えました。でも、既存ビジネスだけでは限界があります。だから、雑貨類メーンの都市型店舗「デコホーム」の展開や、海外進出など、新しい方向に事業領域を広げようとしています。

 我々は、「2032年に年間売上高3兆円、3000店舗」を目標に掲げました。その目標を達成するには、異分野を志望していたような考えがまったく違う人を採用することが大切なのです。成長の原動力になりますから。

他業界を志望しているような学生をどのようにして振り向かせるのですか。

永島:学生の皆さんはだいたい、金融、商社、メーカーといったように、まず業界で選んでいると思います。一度商社を志望してしまうと、小売業のイメージが強いニトリは選択肢として浮かびません。

 実はニトリは、商品開発から製造、物流、販売まですべて自前で行っています。世界中で原材料を調達していますが、これも自社の社員が行っています。知られていないだけで、ニトリには様々な職種があります。このことを就職活動の初期の段階で知ってもらいたい。志望業界が固まる前に、「ニトリという選択肢もあるんだ」と思ってもらいたいのです。

 採用活動では、初期段階でどのような打ち込みができるのかを非常に考えています。

具体的にはどのようなことをしているのですか。

学生の認知度を上げるためニトリは積極的な広報活動を展開している。山下友里江氏はその担当者(写真:竹井 俊晴)

永島:就職活動の初期段階で知ってもらうために、広報活動にはとくに力を入れています。どうやったら学生にニトリのことを知ってもらえるかを考え、様々なアプローチに挑戦しています。

 例えば、合同説明会では表面にフローチャートを描いた袋を配布しています。「旅行は計画を立てる時間が1番好き」「流行に流されない」などの項目にYES、NOで答えていくと、向いている仕事として、「商品開発」「グローバル・新規事業」「広告宣伝」などにたどり着くものです。そして、これらの仕事はすべてニトリでできる、とアピールするのですね。

合同説明会で配布する袋。フローチャートをたどると、自分に合った仕事にたどり着く

広報活動と言えば、インターンシップも大きな広報活動になりますよね。

永島:もちろんインターンシップにも力を入れています。

 当社のインターンシップは全3回で行われます。3回目は一部の学生を対象に商品開発合宿を実施しています。ニトリでの商品開発を疑似体験してもらうものです。

 店舗の仕事は、実際に見ることができるので学生にも分かりやすいと思います。でもそれは氷山の一角です。それ以外の見えていない90%を、できるだけ早い段階で知ってもらいたい。