忙しい人事、マンパワーも不足気味

 売り手市場にあって人事部、特に新卒採用チームの置かれた状況は非常に厳しい。この時期は、2018年4月に入社予定の内定者のつなぎ止め(内定を出した学生が他社に心移りしないようにあの手この手でケアする)と、その翌年の2019年入社予定者のインターンを同時に進めなければならない。

 会社によっては若手社員のフォローアップまでカバーする必要がある。入社から3年もたたずに辞める社員が後を絶たないが、その責任は新卒採用チームにあるとみなされるからだ。にもかかわらず、人事部はマンパワーが不足気味だ。

 人事部としても自社の就業体験を通じて、中身の詰まったインターンを実施したい。そのためには、営業や開発など現場の協力が欠かせないが、思うようにいかないのが実情だ。手間がかかり、一銭のカネにもならないインターンに協力できるほど、現場社員にも余裕がない。

 そこでレガシードでは社員が喜んでインターンに協力するやり方を考えた。それが社員や社業に直接メリットがあることをインターンの学生にしてもらうこと。顧客リストの作成もテレアポも営業には必須の業務だ。新卒採用をコンサルするチームからすれば、現役学生の声は貴重な情報となる。

出会って数時間の人と結婚する人はいない

 レガシードがインターンを重視するのは、企業における採用活動に課題があると考えるからだ。近藤社長はこういう。

 「採用のプロセスは会社説明会に始まり、ES(エントリーシート)や筆記テストで対象学生を絞り込み、GD(グループディスカッション)や面接を通じて人柄を評価する。ただ、どんな企業でも1人当たりの接触時間は数時間しかない。そんな短い時間の中で、30年も40年も雇い続ける社員を決めるのはリスクが高い。本当に自分の会社のことを理解してもらわなければ、入社してから辞める人が続出するのも無理はない」

 「学生にしても同じ。出会って数時間の人と結婚する人はいない。学生と会社がお互いをよく知るためにはもっと長い時間、話をしたり、触れ合う期間が必要なはず。それを提供するのは就業体験、インターンであるはずだ。プロ野球のスカウトが、書類だけで選手を選ぶことはない。実際に投げさせて、評判通りに球が速いかどうかを見極めてから採用する」