AIがコールセンター業務、正答率は90%を超えた

 それから銀行の中の生産性を向上するところです。顧客にリポートを出す業務、あるいはバランスシートとか損益計算書を作る作業でロボティクスを活用します。ロボットにデータが入ると自動的に処理し、我々が寝ている夜中に質問メールを出してくれます。これに返答すればデータ処理ができてしまう。画期的に生産性が向上し、本部で働いている人だけでも千数百名減っていくと思います。

 AI関連では(米IBMの)Watson(ワトソン)がコールセンター業務を手伝っています。今、我々の中では「ワトソン君」から「ワトソンさん」になっているんです。正答率がもう90%を超えているので(笑)。

 そのほか、AIでクレジットカードの不正利用を検索したり、企業が衰退する予兆を確かめたり。新しいサービスというより、生産性向上を目指す分野でAIをたくさん活用しようとしていますね。

9月1日に東京渋谷に「hoops link tokyo(フープス・リンク・トーキョー)」を開設しました。

太田:「社長製造業」になりたいと思っているんです。持っているリソースやプラットフォームなどを使い、一緒に事業をしましょうという問い掛けをしていきたい。「hoops link tokyo」を、そういう場として使っていきます。

 色々なディスカッションや講演会、アクセラレーターのプログラムなど、ベンチャーの人たちが色々なアドバイスを得られる機会を作ります。ハッカソンのようなコンテストも開きます。人が集まる機会を作り、そこに我々も入って銀行のリソースを使い、「何か一緒に商売ができませんか」といったディスカッションが常に行われている場にしたいと。

 服装もカジュアルでOKですし、夜9時まで開けています。オープンな場に人々が集って、1つのエコシステムみたいなものができてくればいいなという発想です。

小さな企業にリソースや信用を与えてあげることは本来、銀行が一番できることですね。

太田:異業種の人たちがこの世界に入ってきて、銀行は押されているんじゃないかというイメージをお持ちかもしれない(笑)。けれども我々は逆にチャンスだと思っています。例えばAPIをオープンにする、あるいはブロックチェーンのプロトコルを作る時、銀行がこれまで持っていたノウハウや蓄積は大きいと考えています。

 ベンチャーをきちんと育てるために必要な技術的な支援もします。当然お金も出します。ネットワークも使ってください。我々のデータも利用していいです。

 より育ちやすい環境、エコシステムを作っていく中で、できることはどんどん協力します。一緒にやる事業で開発費が掛かったり、実証実験のコストが掛かるなら負担するなど、様々なことを考えています。

銀行ってやっぱり晴れの日に傘を貸して雨の日に取り上げるという話があります。こうした取り組みが広がれば、そんなイメージは変わりますか。

太田:銀行の中が、ブラックボックスだったんです。これからは、こんなことができるよとオープンにしていきたい。一方向性やゴールを明確に定めて最初から協働していけば、そんなことにはならない。

 よく地方創生と言われますが、まったく同じです。銀行が「地方創生に力を貸しますよ」と言うだけでは何も生まれてこない。自らやっぱり中に入って、一緒に作っていかないといけないですよね。