より筋肉質な収益体制にする

SMFGの中で今後、銀行はどういう位置付けになるのでしょうか。

太田:もちろん収益のボリュームからしても、重要度からしても銀行が中核であることは間違いない。でも、銀行だけでできないこともいっぱいあるわけです。グループ会社と協業してお客様によりよいサービスを提供していきます。

 我々の強みはリース、カード、ファイナンス、各業界でトップクラスの力を持っている会社がグループの中にあることです。その強みを最大限に生かしていくということだと思います。

今回の中期経営計画では(一般企業の売上高に相当する)トップラインという言葉が消えました。大きく金融機関が置かれている環境の変化を感じます。

太田:前回の中計を検討していたときと比べて、トップラインが伸ばしづらい状況になってきたのは確かです。国内はマイナス金利政策があり、かつ非常に厳しい競争がありますので、(利ざやなど)資金利益がどんどん小さくなっていく。海外はチャンスがありますが、規制があるので自由に資産を大きくしていける状況にはない。そうすると、国内も海外もあまり急速な成長は期待できません。

 こうした環境下では、グループの事業のポートフォリオをより効率化していかなければいけない。それと同時にコストを削減して利益をきちんと確保し、あるいは伸ばしていくことが必要になってくる。ぜい肉をそぎ落として、より筋肉質な収益体制にしていこうという方向性です。

苦境に陥っている企業に適切に資金を供給して再建に導くのは、メガバンクを中心とした金融としての使命の1つかと思います。ただ、自分たちを筋肉質にしていくという目標と時に相反することはないでしょうか。

太田:銀行の社会的な使命に、経済を支えていくというものがあります。社会的な存在意義が大きくて再建していただく会社には、できる限りサポートしていく。そこはまったく変わりませんし、結果として我々の効率化とか生産性の向上と相反するかというと、決してそうじゃないと思います。私企業ですからできることは限られますし、我々がお客に何らかの損害を被るところはなかなか難しい。けれども、そうならない範囲で最大限のサポートをしていくのが、銀行の使命だと思っています。

支店で働く人数は大幅に減る

先日、4月に開業した「GINZA SIX(ギンザシックス)」内の店舗にお邪魔しました。未来的でおしゃれな店舗で、ずらりと窓口の後ろに行員がいる一般の店舗とはまったくことなる印象を受けました。こうした店舗はさらに増やしていくのでしょうか。

太田:はい。リテールビジネスは今後、トップラインがそれほど伸びません。日本自体が人口減少社会ですし、貯蓄から投資という流れの中で安定的に資産を形成していくニーズが強まります。投資家が色々な株や投資商品をたくさん売買することで手数料を稼いでいくモデルではなく、きちんと資産形成に貢献していかなければならない。

 だから、リテールでは徹底したローコストオペレーションを目指していきます。生産性を向上し、かつお客さんにとっても利便性の向上につなげようとしているんです。

 銀座支店は完全にペーパーレス、キャッシュレスで、STP(ストレート・スルー・プロセッシング)化、つまり人手を使わずに取引データを電送してしまうことを徹底しています。こうすると、店舗の窓口の向こう側にいっぱいいる人がいなくなります。支店で働く人の人数は大幅に減ってきますね。