なぜ逆流性食道炎は急増しているのか

 そのほか、唐辛子系の辛い料理やアンコなど甘いものを食べると逆流するという人もいます。

 もちろん、食べてはいけないということではありませんが、これを食べると胸やけが起こりやすいなど心当たりがある場合は、量を控えた方がいいでしょう。

 さて、ではなぜ逆流性食道炎は増えているのでしょうか。

 かつて日本人はピロリ菌に感染している人の方が大多数を占めていて、萎縮性胃炎を起こすことによって、胃酸の分泌が恒常的に低下していました。そのため、逆流する胃酸自体が少なかったので、逆流性食道炎はほとんど見られない病気だったのです。

 その後、日本の環境が清潔になったことや、胃がんのリスクを下げるためにピロリ菌を積極的に除菌していったことにより、日本人のピロリ菌の感染率は激減し、胃酸の分泌量は正常レベル近くまで戻ってきました。

 加えて、食生活の欧米化(高脂肪食)や過食によって、胃酸が非常に活発に分泌される状況になりました。その帰結として、逆流性食道炎が急増してしまったのです。

 逆流性食道炎の症状としては、酸っぱい胃液が上がってくる感じ、胸やけ、胸痛、ゲップ、食欲低下などが挙げられます。また、就寝時に病状が悪化しやすいため、胸焼けによって覚醒してしまうなどの睡眠障害を起こすことがあります。

 逆流した胃液が喉を経由して気管に入ってしまい、咳や喘息の様な症状、喉の違和感が生じるケースもかなりあることが分かってきました。

 これらの症状がある場合、普通は呼吸器内科か耳鼻科を受診して、肺や喉をチェックすることになりますが、そこで明らかな原因が指摘できなかった場合は、逆流性食道炎の可能性を考慮する必要があるのです。

 以上のように、逆流性食道炎が引き起こす症状は多岐にわたり、食事や睡眠、呼吸に悪影響を及ぼすので、QOL(Quality of life 生活の質)を落としてしまいます。