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胃がん検診には胃カメラがいい……とは限らない

溝田:ところで、近藤先生のご著書では帯に「まだバリウム検査受けているの?」という文句があります。

近藤:食道がんも見つけやすいという点で、胃カメラの方がバリウムより良いと考えています。ただ別に、バリウムはもうダメだというわけではありません。

溝田:胃がん検診は、2016年から胃カメラも推奨されるようになりました。けれどX線検査(いわゆるバリウム検査)が今も残っているのは死亡者減少効果が十分あるからです。胃カメラもバリウムも、それぞれ一長一短があります。

近藤:おっしゃる通りでしょう。例えば医療機関に行かなくても検診車で受けられるのは、バリウム検査の大きなメリットだと私も考えています。

溝田:2016年に調べたところ、胃カメラはまだ2~3割の自治体でしか導入されていません。キャパシティや精度管理の問題があって、一気に広げるわけにはいかないようです。

近藤:また胃カメラは、苦しいから嫌だという人もいますね。

溝田:胃カメラを飲むのは大変ですが、バリウム検査が苦手な方もいます。相性もあるようなので、自分が受けやすい方を受けるといいでしょうね。

近藤:そうですね。ただ私は、胃がん検診は将来的には減っていくと思っています。

 若い世代はピロリ菌の感染率が低くなっていて、今の10代では10%くらい。当然、胃がんの罹患率も減っているので、若い世代では検査を受ける利益よりも、不利益の方が大きくなってしまいます。

溝田:確かに、将来的には日本では胃がんは激減していくのでしょうね。対策型でも、かなり限られた年代の方が対象になっていくと思います。