危険なのは、「弱いけれど少し飲める人」

 なぜ、アルコールは発がんのリスクを上げてしまうのでしょうか?

 アルコールは人体に入ると、「アルコール」→「アセトアルデヒド」→「酢酸」、の順に代謝されます。このうち酢酸は無害ですが、アルコールとアセトアルデヒドに発がん性があります。そのため、体内に入ったアルコールは速やかに酢酸に代謝されるのが理想的です。

 ただし前回解説した通り、アルコールの代謝能力には個人差がかなりあります。

 強い人は大量飲酒しなければ問題になりにくいし、下戸の人はそもそもアルコールを飲みません。

 むしろ問題になりやすいのは、アルコールで顔が赤くなったり、以前は飲めなかったけれど飲めるようになったりしたという、「弱いけど少し飲める人」です。

 この場合、強くないのに体に無理をさせながら飲んでいるので、発がんのリスク(特に食道がん、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん)が急激に上昇することが分かっています。お酒に関しては、自分の体質に合わせて、くれぐれも無理はしないことが大切なのです。

参考文献
 肝がん白書2015
 肝硬変診療ガイドライン