ED治療薬としても使われる前立腺大の治療薬

 では前立腺肥大があるかどうかは、どんな検査でチェックするのでしょうか。

 前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAは前立腺肥大でも上昇します。前立腺がんだと上がり続け、前立腺肥大だと高止まりするイメージです。病状を知るには良い判断材料になりますが、たとえばAGA(男性型脱毛症)の治療中の場合などは、薬剤の影響で、PSAが本来よりも低く測定されてしまうことがあるので注意が必要です。

 前立腺が肥大していないか、形がデコボコしておかしくないかを調べるには、超音波検査(エコー)が有用です。CT、MRIも有用ですが、エコーの方がより簡便で安価に施行できます。

 エコーは膀胱に尿が貯留した状態で行った方が観察しやすいので、検査前にトイレに行かないようにしてください。

 前立腺肥大の治療方法は、前立腺がんと同様、もしくはそれ以上に多岐にわたっています。

 特に手術療法は何と15種類以上の選択肢があり、フローチャートのような形で最適解を示すのは、はなはだ困難です。前立腺がんの治療と同じように、「これがベスト!」という決め手に欠けることが、乱立を招いている可能性もあります。

 原則的には個々のケースに合わせて治療法を選択すべきですが、実際には治療を行う医療施設がどの機器を使うのか、またどの治療法が得意なのかによって決まるでしょう。

前立腺肥大の治療薬がEDにも影響?

 通常は、早期の前立腺肥大であれば薬物療法が選択されます。第一選択薬としてまず処方されることが多い「α1遮断薬」、効果が不十分な時に追加される「PDE5阻害薬」や「5α還元酵素阻害薬」、最近は処方頻度が減っていますが「抗アンドロゲン薬」などもあります。

 この中で、PDE5阻害薬はもともとED(勃起障害)の治療薬として開発されたもの。前立腺肥大にも効果があることが分かったため、ほぼ同成分ながら別名で販売されています(PDE5阻害薬に付いては、次回に解説します)。

 また、5α還元酵素阻害薬もなかなか興味深い薬です。

 簡単に言うと、この薬はテストステロンの作用を抑える効果を持っています。テストステロンは前立腺肥大やAGA(男性型脱毛症)のリスクを上げると前述しましたが、この薬がそれを抑えることによって、前立腺肥大の治療だけでなく、発毛効果まで期待できるのです。実際に、こちらの薬も別名でAGA治療薬として販売されています。

 ただし良いことばかりではなく、テストステロンを抑える反作用として、乳房が大きくなったり、乳首の腫れや痛みが出たりするケースが報告されています。