前回「『あれ?足がしびれる』そんなサインに要注意!」に続き、今回も糖尿病のメカニズムについて解説いたします。
食事を取ると、炭水化物が消化管でブドウ糖などに分解されます。そして体内に吸収されて血中へ流れ込むことによって、血糖値が上がります。
それを感知した膵臓は、すぐさまインスリンを分泌して、ブドウ糖をエネルギーとして消費したり、余った分は「グリコーゲン」や「中性脂肪」に変えて貯蔵したりします。
その結果、血糖値は下がります。
このサイクルがきちんと機能していれば糖尿病にはなりません。
けれど何らかの理由でインスリンが上手く働かなくなると、ブドウ糖は血管の中に留まり続け、血糖値が上がってしまうのです。
つまり、食後に血糖値が上昇するのは正常な反応なのですが、それが長く持続してしまうのが異常な状態なのです。この状態を「食後高血糖」と言います。
日本人の場合、糖尿病の初期症状として、まず食後高血糖になり、それが徐々に悪化することによって、「空腹時でも高血糖」という正真正銘の糖尿病になるパターンが多いと考えられています。

そうであれば、食後高血糖という初期の段階で見つけて、早めに介入することが、糖尿病予防のためには有効なはずです。
しかし、実は食後高血糖を一般的な健診で見つけることは非常に難しいのです。
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『日本一まっとうながん検診の受け方、使い方』の著者、近藤慎太郎氏。10月は厚生労働省などが旗振り役となって「がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン月間」を実施しています。
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