本連載が1冊の本になりました。日本人の死因で最も多い「がん」を避けるためにはどうすればいいのか、マンガで分かりやすく解説しています

 食事をとると、三大栄養素は体内でどのように代謝(分解・合成)されていくのでしょうか。

 一般的に、次のように説明されることが多いと思います。

  • 炭水化物→エネルギー
  • 脂質→エネルギー、脂肪として貯留
  • たんぱく質→筋肉など肉体をつくる

 もちろんこれが間違っているわけではなく、おおむねこのように理解してもらって構いません。ただし、何点か大切なことを追加します。

 1つは、前回(「日本万歳!世界各地の『食事療法』に挑戦できる」)でも解説しましたが、脂質が人体を構成する細胞の膜や、ステロイドホルモンをはじめとした様々な生理活性物質の成分となるということです。

 脂質というと、皮下脂肪や内臓脂肪を連想して敵視されがちですが、肉体に必要不可欠な役割を持っています。

 次に炭水化物は、大きく分けて「糖質」と「食物繊維」に分けられます。

 糖質は体の中で燃料として使うことができて、1g当たり約4kcalのエネルギーになります。

 もう1つの食物繊維は、食物に含まれる消化の難しい成分のことで、穀物、海藻、豆、きのこ、野菜、果実などに豊富に含まれています。消化が難しいので、摂取できるエネルギーは微々たるもの。エネルギーよりも、今までは「便通を良くする」などの理由で積極的に摂取しましょうと言われてきました。

 しかし、食物繊維にはそのほかにも大きなメリットがあることが分かってきました。

 食物繊維の摂取量が多いほどメタボが少ない(1)、糖尿病のコントロールに有効(2)、LDL(悪玉コレステロール)を下げる(3)、などの報告があるのです。

 食物繊維をどうやって取るかが、食事法における重要なカギになることは明らかです。これについては、稿を改めてしっかりと解説したいと思います。

 最後に、三大栄養素の流れは完全に独立しているわけではなく、下の図の通り、一部は相互に乗り入れ可能になっています(本当はもっと複雑な回路をたどるのですが、ここでは大枠だけ変えずに省略しています)。

 色が濃い上向きの矢印が2カ所あり、ここが今回もっとも重要なポイントです。