脳梗塞、動脈硬化の予防が、血管性認知症の予防に

 認知症を来たす疾患は多い順に、アルツハイマー病(67.6%)、血管性認知症(19.5%)などがあります。

 血管性認知症というのは、脳梗塞が起きることによって脳の機能が失われ、その結果として認知症になることです。

 ということは、脳梗塞や動脈硬化を予防できれば、それがすなわち血管性認知症の予防になる、ということです。

 ちなみに認知症で攻撃的になる人は、血管性認知症に多い傾向があります。これが避けられるのであれば、非常に大きな意義があると言えるでしょう。

 次に、認知症の3分の2以上を占めるアルツハイマー病ではどうでしょうか。

 アルツハイマー病は、少し専門的に言うと、「神経原線維の変化」と「アミロイドという物質の脳内への沈着」によって起きる脳の変性疾患です。加えて、特殊な遺伝子型を持っていると発症のリスクが高まるため、遺伝性疾患としての側面もあります。

 しかし、遺伝的なリスクを後から避けることはできませんし、アミロイドの沈着などがなぜ起こるかも、今のところは原因不明とされています。残念ながら、アルツハイマー病は、「こうすれば予防できる!」という病気ではないのです。

 ただしやはり、アルツハイマー病も、発症や増悪に脳梗塞が関与するという報告があります(3)。

 ほかにも高血圧や糖尿病、脂質異常症、喫煙、動脈硬化(つまり、いずれも脳梗塞の原因)で、リスクが上昇すると報告されています(4-6)。

 事実、アルツハイマー病と血管性認知症が合併することも多々あります。

 結局、「要介護」状態になる原因には「脳卒中」と「認知症」があると前述しましたが、血管性認知症の原因は脳梗塞(脳卒中の一種)ですし、アルツハイマー病にも脳梗塞が影響します。

 となると、脳卒中と認知症は非常に密接に関連しているとも言えます。

 結局、要介護状態になる原因の中で、「動脈硬化」がとても大きな役割を果たしているということが言えるでしょう。

 では動脈硬化を避けるにはどうすればよいのでしょうか? 次のページで、マンガで解説しましょう。