前回は、大腸がんの検診で実施する便潜血検査について解説しました。

 少し話が脱線しますが、便潜血検査で胃がんのチェックはできないのでしょうか。というのも、便潜血検査は大腸がんなどの病変から出た血が便に混ざっていないかを調べる検査です。胃がんで出血する場合も陽性になってもいいように思います。

 しかし、結論から言うと胃がんのチェックは残念ながら便潜血検査ではできません。

 なぜかというと、血液(この場合、ヒトヘモグロビン)は胃など消化管の上流で出た場合、胃酸や膵液など様々な消化酵素に長時間さらされて、便に混じるまでに「変性」してしまいます。このため便潜血検査では引っ掛かりにくいのです。

 一方で、大腸など消化管の下流で出血した場合には、ごく一部が変性するかもしれませんが、大部分はヒトヘモグロビンの形態をとどめているため、検出可能となるのです。

 「何だ……一緒に検査できればいいのに…」と思った人もいるかもしれません。しかし、「大腸のチェックしかできない」ということは、必ずしも悪いことではありません。

 例えば、もし検査が陽性になった場合、「胃か大腸か分からないから、両方をカメラで検査しましょう!」と言われるのも辛いでしょう。「胃は半年前にチェックしたのに…」という場合でも、心配になって「仕方ないから念のためにもう一度受けようか」と思ってしまうかもしれません。それよりは、「便潜血検査=大腸」という一対一の関係の方が結局のところは便利なのです。

 さて本論に戻ります。

 そんな便潜血検査ですが、前回解説した通り、ポリープを見つける可能性は11~18%と、決して満足できるものではありませんでした。では、ポリープはどのように見つければいいでしょうか。