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違法残業の「証拠」の残し方

 もっとも話せば分かる相手ばかりではない。長時間労働を改善する意思のない上司や、それを黙認する会社とはたもとを分かつのも今の時代にはやむを得ない自然な選択肢だ。長時間残業を強いられた結果、サービス残業が常態化していて、いつか会社に対し、未払いの残業代の支払いを求めたいと考えているなら、記録や証拠を残しておこう。

 社内でのサービス残業は、出退勤の時刻を記録しておけば、基本的には認められる。難しいのは持ち帰り残業で、「残業が会社側の指示でやむを得なかったことを示す証拠の確保」が必要だ。「指示には黙示も含まれると考えられている」(労働法に詳しい、早野南谷綜合法律事務所の弁護士、早野述久さん)ので、メールなどを活用し、証拠を“作っておく”といい(詳細は下の囲み記事)。

サービス残業は「違法」! 泣き寝入りしないためには

 ●サービス残業の記録を残す

 パソコンの起動、終了時間の記録(画面写真など)を残す。サービス残業時間中に会社のメールアドレスから発信された業務に関するメール、社用携帯電話からの業務メールなどをコピーして保存すべき。以上の例と比べると、出退勤の時間を記録した手書きのメモはやや証拠能力が落ちる。

 ●「黙示」があった証拠を残す

 「持ち帰って作業しなければ終わらないと合理的に考えられ、持ち帰り残業を上司も認識していれば、持ち帰り残業の『黙示の指示』があったと認定され得る」(早野さん)。メールで就業時間後に「明朝までに完成させます」などと伝え、上司から了承の返信があれば、黙示があったと見なされる可能性が高い。