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上司を誘導せよ

 むしろ発想を変えて、部下の側が上司を望ましい方向に“誘導”した方がいい。 「ほとんどの上司は部下から慕われたいと思っている。ただ、どうしていいか分からない」(コラムニストの石原壮一郎さん)だけだからだ。

 下に紹介したのは、そうした場合に役立つ石原さん考案の「大人のフレーズ集」だ。「ボトルネック上司」から自分の身を守り、仕事の効率化を進めるため、ぜひ活用してほしい。

 例えば、長時間労働に対する問題意識の共有を促す場合であれば、「単に仕事が嫌なだけでは?」という疑念が上司に生じないような言い回しを選ぶ。また、深く考えずに突然仕事を指示してくるような上司には、残業が不可避となってしまうことを婉曲的な表現で伝えるといい。

大人の対応で「ボトルネック上司」を変えるベストフレーズ

●長時間労働に対する問題意識の共有を促す
「〇〇さん(上司名)もこのままではいけないとお感じになっていると思いますが…」

◎ポイント
仕事が嫌いだったり、さぼりたいのではないことをにおわせる

 中間管理職の裁量は限られている。残業を減らすという点で、上司にも即効性のある対策がない場合がほとんどのはず。「仕事が嫌いなだけでは?」といったネガティブな印象を与えない形で、まずは問題意識の共有を提案し、上司を残業を減らすための「味方」に引き入れるのが「大人の姿勢」だ。

●残業が不可避であることをそれとなく伝える
「〇〇や××といった作業に取り組んでいます。そちらが終わった後からでもよろしいでしょうか?」

◎ポイント
上司は深く考えずに仕事を振っている可能性がある

 上司は深く考えずに仕事を振っている可能性もあり、残業になる可能性があることに気づいていない場合も多い。その仕事を引き受けたら確実に残業になることをスマートに伝えたい。

●仕事量を減らしてほしい旨をスマートに伝える
「いけないとは思っているのですが、なかなか仕事が終わらず困っています。何かいい方法はないでしょうか?」

◎ポイント
SOSを発することで、上司に対策を考えるきっかけが生まれる

 上司は部下が思っているほど、部下の仕事量を把握していない。工夫次第で効率化が可能だと無邪気に信じている場合が多い。期待に応えたいが、どうすべきか分からないという気持ちをまず伝えることで、上司の意識が変わる可能性は十分にある。負荷を軽減してもらうきっかけにしたい。