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「自信を持つためには、ある程度の結果が必要」

限界値を決めずに、成長し続けるためには何が必要?

 自信でしょうね。自信を持つためには、ある程度の結果が必要。結果を出すためには、日々の地道な練習にどう向き合うかということが大事です。モチベーションが上がらないという人は、転職など逃げ道になるような選択肢がたくさんあるからではないでしょうか。僕にはボクシングしかないし、結果を出さないとご飯が食べられない。だから練習メニューも真剣に考えます。

 昔は「本当にこの練習でいいのか」と迷いましたが、経験を積み重ねることで、自分にとって意味のある練習とそうでない練習が分かってくるんです。僕の場合、ウエートトレーニングやスポーツ科学に頼るのではなく、走ったり自重を使った補強トレーニングをしたりといった極めて原始的な練習を選ぶ、とかですね。

 成長のためには考え続けることが大事で、必死に考えてもがくスランプの時期は絶対に必要です。僕もプロ8戦目で判定勝ちに終わったあたりから、成長が止まった気がしました。フォームを見直し、下がってきたガードを上げようと意識しましたが、しっくりこない。そこで視点を変えて間接的な部分に着目し、体全体のバランスを見直して、いつも踏ん張ろうと意識していた右脚の力を抜いたんです。

 すると右膝が上がりバランスが良くなって、ガードも自然に上がった。「右脚を踏ん張らなければ」という意識が強すぎて全体のバランスが崩れていたことに気づいたおかげで、スランプを脱出できました。問題そのものではなく、間接的な部分に焦点を当てることで解決することも学びました。あのスランプがなかったら今も悩んでいたかもしれません。

世界戦へ意気込みをお願いします。

 いい試合を見せます。負けることは許されないと思っているので。もらいたくてももらえない貴重なチャンスを結果につなげないと、自分のボクシング人生はないという覚悟でしっかりと挑みます。

Ryota Murata’s History
1986奈良県奈良市生まれ
1999中学1年生の時にボクシング教室に通い始める
2002高校2年生の時に選抜・総体・国体の高校3冠を達成
2003選抜と総体を制して高校5冠を達成
2004東洋大学1年生の時に全日本選手権初優勝
2005キングスカップ銀メダル、アジア選手権銅メダル
2008引退し、東洋大学に職員兼ボクシング部コーチとして勤務
2009現役復帰。全日本選手権優勝
2010全日本選手権優勝
2011全日本選手権優勝
インドネシア大統領杯ミドル級(75kg)初優勝
世界選手権ミドル級(75kg)銀メダル
2012ロンドン五輪ミドル級(75kg)金メダル
2013プロボクサーに転向
柴田明雄選手にTKO勝
デイブ・ピーターソン選手(米国)にTKO勝ち
2014カルロス・ナシメント選手(ブラジル)にTKO勝ち
ヘスス・アンヘル・ネリオ選手(メキシコ)KO勝ち
アドリアン・ルナ選手(メキシコ)に判定勝ち
ジェシー・ニックロウ選手(米国)に判定勝ち
2015ダグラス・ダミアオ・アタイデ選手(ブラジル)にTKO勝ち
ガナー・ジャクソン選手(ニュージーランド)に判定勝ち
2016ガストン・アレハンドロ・ベガ選手(アルゼンチン)にKO勝ち
フェリペ・サントス・ペドロソ選手(ブラジル)にTKO勝ち
ジョージ・タドニッパ選手(米国)にTKO勝ち
ブルーノ・サンドバル選手(メキシコ)にKO勝ち
20175月20日アッサン・エンダム選手とWBA世界ミドル級王座決定戦を行い、判定負け
アッサン・エンダム選手との再戦が決定(10月22日試合予定)