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「The Range」は、スマートなデザインとシンプルな操作系が特徴。ダイヤルやボタンを操作した時に、アコースティックギターの音が流れる機能もある(無音設定も可能)。本体カラーは3種類。価格はブラックとホワイトが税別4万3500円。ステンレスは税別5万4500円。発売は11月下旬以降。

 そんな父がある日、「オレは陶芸をやる!」と目を輝かせて言ってきたのです。スーパーに張ってあった陶芸教室のポスターを見た瞬間、なぜだか体に電気が走ったのだそうです。父は次の日には陶芸教室に出向き、1カ月後には先生よりもうまくなり、半年後には陶芸品店で自分の作品を並べてもらっていました。定職も持たず、2人の子供を抱えた40歳の父が、ある日を境に驚くべきスピードで陶芸家への転身を遂げたのです。やりたいことを見つけ、自分の力で人生を切り開いていく父の姿を間近で見て、私は圧倒されました。人は本気になったらとてつもない力が出る。どんな可能性もあり得るのです。

 母はというと、「人はどんな時でも最大限、人生を楽しむべき」という考えを持った、父と同じく情熱的な人でした。そんな母は私が14歳の時、ハワイで亡くなりました。泳げないのに海でシュノーケリングをして溺れたのです。世間的に見れば無謀な行動のように思えるかもしれませんが、私は母らしい死に際だと思いました。泳げないにもかかわらず、きっと母は、目の前に広がるきれいな海を楽しもうとしたのでしょう。

 私には母が「人生は短い。『やりたい』と思ったら、命をかけてやってもいい」と教えてくれているように思えました。母と同じような人は、「無理」と言われても、不思議そうな顔をして「なぜ?」と問い返す。そういう人が不可能を可能にし、世の中でイノベーションを起こすのだと思います。

「なぜ?」が不可能を否定する

 私のように可能性を身近で感じる機会がなくても、思考習慣を変えれば可能性を信じられるようになると思います。その方法は、常に「なぜ? 本当か?」と考えること。私は何を見ても違和感を覚えたら「なぜだろう?」と考える癖がついています。この「なぜ?」という思考はとても重要。不可能を否定するキーワードだからです。

 例えば、ある事業アイデアを考えている時、「みんなは無理と言っているが、それはなぜ?」「本当に無理?」「ちょっと自分でやってみられないか?」「どうすれば自分でできる?」「そのためには何が必要?」「必要なものを知るには、どこで情報を得ればいい?」と、考えを深めていく。すると、やるべきことが手元まで落ちてくる。この思考を習慣化すれば、不可能と思うことはなくなる。自然と可能性を信じられるようになります。

 ちょっとしたことでも構わないので、「不可能と思われていること」に挑戦してみるのもいいでしょう。例えば、「誰も自ら近づかない、常に不機嫌な上司を笑わせる」。手段は問わない。あらゆる方法を試してみる。冗談が通じなければ、背後に回ってくすぐってもいい。遠慮や常識なんて無視し、とにかく「それは無理だろう」ということを〝崩す〟ことを最優先してやってみてください。

 これは仮説を立てて実行し、失敗したら別の仮説を立てて再度試すという、可能性を使うプロセスです。仕事や人生を本当に面白く、楽しく生きるために絶対に必要な考え方だと思っています